昨今、地方ではアパートマンションの家賃が下落傾向にあります。
単純な理由としましては、
『賃貸物件が増えて、入居希望者が減ってるため』
というのが現状です。
空家をリフォームして、
『敷金・礼金なし、さらに1カ月分の賃料を無料サービス』
といった謳い文句で数少ない入居希望者の争奪戦が繰り広げられています。
昨年よりも不景気となり、
独り暮らしをする学生や新社会人が減っている事と、
新型コロナの影響により、転勤が減っているのも原因です。
ここで、アパートマンションを1棟丸ごと借上げ(サブリース)している、
不動産会社は、物件所有者に支払うサブリース賃料を下げたいのが本音です。
入居者から貰う家賃と物件所有者に支払うサブリース賃料の差額で利益を得たい不動産会社にとっては厳しい収益となっているため、
少しでも利益を出すことに専念します。
一括借上げ(サブリース)をしている大手ハウスメーカーは、
ほぼ全社がこぞってサブリース賃料の値下げに動きました。
借地借家法上は、この減額請求は有効です。
反対に、
『サブリース賃料の値下げは一切応じない!』
という事を物件所有者が主張すれば、
『では、今後は一括借上げ(サブリース)はしないので解約をさせて頂きます!』と、サブリース業者は法的(家庭裁判所を通じた調停)に解約に乗り出します。
物件所有者としては、
『別にサブリース契約でなくても、自分で管理会社を探して運営できる!』
と言い切れる人であれば、解約に同意されるのも良いでしょう。
しかし、ほとんどのサブリース契約の恩恵を受けている物件所有者は、
『賃貸経営』の過酷さが分かっていません。
いつも満室ではなく、空き部屋が増えたら収入は激減します。
さらに、新たに入居者を契約いただく為には、
管理会社と一緒に協力的に動いたり、支出をする事にも繋がります。
人気物件は、それでも満室となり、サブリース契約よりも稼ぐこともあります。
ただ、そんな物件は3割もないだろうと思います。
なぜなら、サブリース契約をしているアパートマンションは、
物件所有者のノウハウでは満室にできない、
管理運営出来ない、地方に集中しているからです。
今の賃貸では、
『インターネット無料』
『敷金・礼金なし』
『1カ月以上のフリーレント(無料賃貸期間)』
『入居者が要望する設備』
さらには、お部屋の入居者契約を取ってくれた賃貸会社に『家賃の1~2ヵ月分を広告宣伝費を業務報酬として支払うのが一般的な大家の支払いです!』
お金をかけなければいけない事がたくさんあります。
最近の新築物件では、ほとんどが入居者寄りの構造となっているため、
問題ないかもしれませんが、
築年数が古い物件の所有者は、真剣に賃貸経営と向き合わなければいけません。
自分の賃貸物件に入居付けしてくれている賃貸営業の人達、
日々、クレーム処理や建物を管理してくれている管理の人達、
物件所有者の皆さんは、
顔を出したり、電話したり、お菓子やお礼をきちんとできていますか?
これから、誠実で真面目で心ある物件所有者と、
いままで散々怠けていた物件所有者の資産価値は差が広がると思います。
なぜなら、あなたの物件を管理運営してくれている業者さんは、
『人です!』
自分の損得が気になるのは当然ですが、
相手も利益が出ないのであれば、それはビジネスとしては成立しません。
いつか関係性は壊れます。
サブリース業者や不動産会社は、
誠実に入居者・物件所有者に利益をもたらし、
自分たちも利益を生み出す事が責務だと思います。
物件所有者は、自分の資産の為に働いてくださっている人たちをなめてはいけません。感謝と誠意を表すことが重要です。
賃貸経営は、『所有者・不動産業者(サブリース業者含む)・入居者』
この三者それぞれに利があってこそ成り立つビジネスです。