なぜ利益が減るのか?

最近、多数のハウスメーカーでアパートを建設し、
一括借上げ(サブリース)契約をしている物件所有者のIさんとお話ししました。

Iさんは、
4棟のアパートを所有。

D社で18年前と15年前に、
L社で13年まに、
S社で8年前に、

それぞれアパート(木造・鉄骨)を建設し、

その建設を受けたハウスメーカーにそのままサブリース契約をしてもらっています。

4棟中、4棟すべてが、

サブリース賃料の減額を受けています。

Iさんは、自分の利益が下がる事に嫌気がさしており、

次は、地元の不動産会社と不動産投資をしたい!

と言っております。

でも、4棟もあるのに、赤字ではないだろうと思い、
Iさんの決算書を見せてもらいました!

ここで、ハウスメーカーの良い所と、欠点がはっきりと分かりました。

サブリース賃料の減額金額については、

正直、妥当な金額だと思いました。

近隣の物件でも、このくらいの賃料しかもらえないから、
サブリース業者は、入居者から貰う賃料の8割くらいを物件所有者に支払う仕組みです。

貸出す家賃も妥当、サブリース賃料も妥当、
しかもサブリースは毎月定額の賃料の為、
時期によっては、一般のアパート所有者よりもストレスが低いと思います。

サブリース(一括借上)のない一般管理での賃貸物件では、空き部屋の不安、入居者が決まっても、設備投資に無料賃貸期間(フリーレント)の提供により、すぐには家賃が入ってこない。

しかも、毎回入居者が入れ替わる(退去後に新たな入居者の賃貸契約)度に、家賃の1~2ヵ月分は賃貸仲介会社に業務報酬として支払いが発生するため、1年住んでくれた入居者の家賃収入は、『12ヵ月-業務報酬2ヵ月分=10ヵ月』となる計算です。

業務報酬を削ると、賃貸管理会社は、

『この大家さんの物件の空き部屋をうめてもあまりメリットがない』と判断され、空き部屋が中々決まらないという負のスパイラルに突入します。

意外と、Iさんの話を聞いたり、資料を見たりしていると、

『Iさんは、世間知らずの地主だな』
と正直に思いました。

賃貸管理と運営について無知過ぎるため、いつか痛い目に会うかも、と感じました。

物件所有者はIさんであり、事業主(経営主)は法的にも事実上も『Iさん』です。

サブリース会社はあくまでも、運営管理を委託している会社であり、真の経営主ではありません。

ここはサブリース物件を所有されている事業主さんは勘違いをされてはいけない事です!

ただ、たしかに思っていたよりも毎月の利益は低かったので、
細かく資料を見ますと、

あれ?
返済金額が多い。。

サブリース賃料は減額された後でも、正直まともな金額でした。

しかし、借金の毎月の返済額が思っていたよりも大きかったのです。

つまり、カラクリはこうです!

『建設費が高くて、通常の返済額よりも1.2~1.3倍の返済をしている』

1DKの12世帯で、通常の2階建て木造アパートであれば、

良い設備をつけたとしても、4,000万~4,500万円未満です。

しかし、ハウスメーカーの建設費は6,000万円。

3割ほど建設費が高いのが印象です。

よって、通常の4,500万円ほどのローンであれば、
25年ローン(金利1.5%)で毎月18万円程ですが、
同条件で、6,000万円の建設費の場合は毎月の返済が24万円です。

差額は、毎月6万円(年間72万円)

この差額でも、一般管理の賃貸経営よりもストレスが少ない
サブリース契約を希望するのであれば、サブリースも良いと思います。(サブリース賃料は必ず減額請求されます!)

納得がいかない人は、地元の不動産屋さんと建設会社に試算してもらうのが
良いかと思います。

とても際どい選択となるかも知れませんが、

サブリース業者は、
この一般管理物件とサブリース契約あり気でのメリットとデメリットを、
不動産投資を希望する顧客に、明確に分かりやすく示す必要があります。

私は、
『ハウスメーカーでも地場でも、良し悪しがある』
と本音で思います。

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