本日は、前回の『成長する会社と衰退する会社』のパート2をご紹介させて頂きます。
前回の内容をご覧になっていない方は、➞『成長する会社と衰退する会社パート1』をご参照されてから記事を閲覧頂ければ幸いです。
前回にお伝えしていない詳細について、まとめてみました。
色々な視点があるとは思います。あくまでも参考としてください。
小規模会社の特徴
①経営者やリーダーの意見、意思が従業員に伝わりやすい
②離職率が高い為、人材の流出入が激しい
③サービス(業務)の内容をマニュアル化しなくても業務を対応できる要素が高い
④高度な業務を従業員に任せる機会が多い
⑤従業員同士でのコミュニケーションが図りやすい
⑥会社のいい時と悪い時を肌で感じやすい
前回に詳細説明がなかった②と⑤について触れてみます。
②離職率が高い為、人材の流出入が激しい
これは確かに小規模会社には宿命とも言える難題ですよね。
✖ 小規模会社で安定していないからしょうがない
〇 小規模会社だからこそ『自分の会社にいてくれる従業員の生活に関わる日々の幸せを必ず守る』という信念を持てば、福利厚生も含めて必ずクリアできるようになる(道は必ず作れる事に経営者が挑めているかどうか)
では大企業では人材の流入はどうなのでしょうか。
当然に大手企業だけあって人材は固定化されている傾向が強く、余裕がある時に新入社員も採用しております。色々な統計やデータを参照する事も出来ますが、私が着目しているのは『企業の平均年齢』です。伸びている企業は、社員の平均年齢も徐々にながら低くなっています。
『平均年齢が35歳未満』の企業が売上利益も伸ばしている印象です。
反対に『平均年齢が35歳以上』さらには40歳以上となっている企業はゆっくり衰退している様子かと思います。
平均年齢が上がるという事は、『40歳以上の社員は辞めないが、若い社員(特に20代)が退職する傾向』だと言う事が大きな要因かと思います。
人間40歳、50歳と超えてきますと中々次のチャレンジ意欲が湧かない人が多い傾向です。
これは『現実的に今よりも環境が良くて、給料がいいと思えないから』というのが本音ではないでしょうか。また、転職を考えた時には『自分の能力』と向き合う時です。
自分の能力に対する市場価値をなんとなくでも理解しようとしている人も少ないのではないでしょうか。
反対に若い人は『融通の利かない先輩や上司を見てきて嫌気がさす』『給料もボーナスもいまいち、こんなんじゃ将来が不安だ』と先の長い将来不安を持ち、『辞めるなら今』と判断する人が多い傾向です。
若い社員が続かない理由は何点かあります。
1,ボーナスが出なくなった
2,給料も低い
3,会社内の風通しが悪い
4,本当に自分がやりたい事ではない
5,違う会社で楽しそうに働いている友達が羨ましく思えた
案外、5の理由も多いです。なぜか若い社員が辞めるという時期は、5月、8月、1月に集中しています。
これは、長期連休中(5月のGW、8月のお盆休み、お正月)に昔の友達や知り合いと会って話したり、飲んだりする機会が増える為『人の意見を聞きやすい期間・人と比べてしまう期間』というのが大きな要因だと私は思います。
また、会社の体質改善が遅れている所では『気がつけば我の強い40歳~50代後半が多い会社』だと気づいてから動く為、先を見据えている企業に完全に後れを取ります。
『若いからっていいわけではない』という業種も確かにあります。
かえって、高齢化になってからサービスの質も向上できたという例もありますが、それは稀な実績です。全体としては、やはり平均年齢の高い会社は、衰退の傾向です。
これにはロジック(論理)があります。
ほとんどの人間は年齢とともに体力が落ち、雑務を嫌がるようになり、考え方も主観が強くなってしまいます。これはしょうがない事です。
ただ、会社のサービス向上(質を上げる)事やアイディアを必要とする業種では『若いエネルギー』を活用しなくてはいけません。
若い人には年配者よりも経験値が少ない分、『主観』が弱く、率直な疑問を持つことが多いからです。
ほとんどのビジネスでは『これは何で必要なの?』『この仕事っているかな?』『この仕事をする意味が分からない』『この仕事って誰が喜ぶの?失くしたほうがいいんじゃないか』という素朴な疑問から新しい業務転換をする事も多い為、若い人(主観が弱い人)の意見はとても重要です。
企業の平均年齢が高いという事は、『若い社員が少ない』と言う現れです。
という事は、少数派(マイノリティ)の若い社員は『意見が通らない、聞いてもらえない、聞かれもしない』と言う流れに合わせて、『どうせ上の世代同志で何もかも決めて、若い俺達には偉そうに指示ばかり出してくるんだろ』と悲観的に悟る人が増えます。
そして多数派(マジョリティ)の年配社員には『YESマン』が多く、そして『ビジョンやポリシー』という仕事の本質に対する熱量が冷めている人が多い為、会社はただ売上と利益だけに目が行きます。
こんな例があります。
とある銀行の幹部の方が『将来、銀行の窓口担当者はいらなくなる。すると若い銀行員を増やす事をしなくてもいい。さらには、年配者の経験者のほうが顧客対応能力に長けているから少子高齢化に銀行は対応しやすいはずだ』とおっしゃっておりました。
結果はこれから分かってくる事だと思います。確かに、短期的には私も賛成です。
しかし、10年後、20年後はどうするのでしょうか?
窓口に人がいらなくなったとしても『融資』という銀行の花形商売はどうするのでしょうか?
融資も銀行は審査基準がマニュアル化されつつあります。要は、AIに任せればいい時代がすぐそこまで来ているという事です。今の融資担当者も『融資基準やルールは決まっていますので、規定に当てはまるかどうかとなります』という人が多いです。
もしも『日本の融資基準ではなく、私達は将来性を感じる人や会社に低金利で積極的に融資します』という資本金が豊富でメジャーな外資が本気で日本の市場を取りに来たら、その時に日本のほとんどの金融機関は『対応能力』が備わっていなく、また育てていないために負け試合を宣告されるのではないでしょうか。
経済人の方々は『ビジネスは悲観的に準備し、万全を期し、楽観的に行動せよ』と言いますよね。
悲観的準備の中に、『将来の外資による日本市場乗っ取りリスク』も考慮に取り入れるべきだと私は思います。
次に、従業員同士でのコミュニケーションが図りやすい
この内容について詳細に触れていきます。
✖ 社員が少ない時は簡単に出来るが、社員が増えればしょうがない
〇 例え社員が増えても、部署が違えど『コミュニケーションが取れる』環境を作る
前回ではこの内容だけで終わっておりました。
実は、このコミュニケーションでは『痛い所をつくな』という批判を覚悟で大切な現実を記載致します。
例えば、大手ハウスメーカーでは部署がたくさんあります。
・建築営業課
・売買営業課
・店舗企画課
・業務課
・設計課
・工事課
・総務課
・人事課
・賃貸管理
・債権課
軽く見積もっても10部門もあります。
大手になればなるほど、この一つずつの課も2つ3つと枝分かれしていくパターンです
(例)賃貸管理➞賃貸の部署、管理の部署、クレーム処理の部署、コールセンター等
このように、賃貸管理と言えば一つにまとまっているように思えても4つに区分されます。
ここで、出世がしやすい人のパターン(痛い所)をつきます。
実は、仕事の能力は弱く、たいして会社の将来を考えてもいないのに出世が早い人や、『なんであの人は部長何だろう。全然尊敬できるような人には感じないのに』と思われている人もおります。
これにもロジック(論理)があります。
それは、『社内のコミュニケーション能力が高い』と言う点です。
色々な部署との交流を自ら図り、出会う上司や先輩たちに可愛がられ『上を見て(自分より役職がある人)仕事をする人』です。これはよく言われる『サラリーマン能力』の最高峰です。
誰かが困っている時に『その内容は、〇〇部署の〇〇さんに相談してみると分かるかも。俺が聞いてみてあげるよ』と自分の社内コミュニティを活用し、社員の困った内容を解決に向かわせます。
確かに有難い助け舟であることには変わりませんよね。ただ、そのような社内コミュニティが強い人を『仕事が出来る』と過大評価して役職を与えすぎてしまった結果、『自分自身で考える力のないただの権力者』を生み出す結果にもなります。
この記事を読んでいる人の中には『そう思う』という若い社員もいれば、『やば、俺の事かも。この記事嫌だな』と危機感を持つ人もいるでしょう。
勘違いしてはいけないので、もう一度簡潔にまとめます。
〇社内コミュニティを築く事
〇社内の困った人を社内のできる人に相談し、解決に図る事
✖社内コミュニケーション能力が高い人を管理職にさせる事
つまり、社内コミュニティは大切だが、出世(権限を持たせる)させる事とは別にしなければいけないという事です。
では冒頭の『〇 例え社員が増えても、部署が違えど『コミュニケーションが取れる』環境を作る』とは、どんな方法があると思いますか。
今回は、あえて解決案を書きません。出来れば、本記事の内容を色々な人とコミュニケーションを図り、色々な考え方に触れてみてください。
注意点は、あなた自身がアイディア(自分の案)を持った状態で会話する事に意味がありますよ。