成長する会社と衰退する会社

本日の記事は、私が長年経験してきた不動産コンサル業を通じて、『成長する会社と衰退する会社』の特徴をお伝えしたいと思います。

会社の大きい、小さいというのも成長に関わるうえでポイントとなってきます。
会社が小さい時(従業員50人~200名以下の会社:以下小規模会社)であれば、トップのリーダーの意見や意思が良くも悪くも伝わりやすく、成長も衰退もスピードが速いイメージが私にはあります。

中堅の会社規模(従業員200名~1,000名以下)であれば、小規模会社より成長の速度は落ちる傾向かなと感じます。反対に衰退もゆるやかになる進行するイメージです。

大企業(従業員1,000名以上)であれば、成長はとても遅く、衰退も同じようにゆっくり進行していくイメージです。

私は、小規模会社と大企業の両方を経験しています。
さらに不動産コンサルを通じて多くの経営者と対面し、その中でも『成長する会社、衰退する会社』の特徴を感じれるようになりました。

まず、なぜ小規模会社が成長も衰退も速度が速いのかは明確に感じます。

小規模会社の特徴

・経営者やリーダーの意見、意思が従業員に伝わりやすい
・離職率が高い為、人材の流出入が激しい
・サービス(業務)の内容をマニュアル化しなくても業務を対応できる要素が高い
・高度な業務を従業員に任せる機会が多い
・従業員同士でのコミュニケーションが図りやすい
・会社のいい時と悪い時を肌で感じやすい

あくまでも『良くも悪くも』という事であることに気を付けて整理していきます。
成長する会社の特徴には〇を、衰退する会社の特徴には✖を付けております。

まず、経営者やリーダーの意見、意思が従業員に伝わりやすいという点について、
✖ 経営者、リーダーが売上や利益の事を重視した指示が多い
〇 うちの会社は『〇〇な顧客の為に〇〇のサービス(業務の価値)を提供する会社である』とビジョンや目的の意思を従業員と共有出来ている

大切なポイントなので、もう少しご説明を致します。

〇〇な顧客の為に〇〇のサービス(業務の価値)を提供する会社であるというビジョンや目的を会社内で共有出来ている会社は、実は非常に少ないです。
成長している会社は、この『ビジョン』を共有出来ており、市場に対してみんなで挑んでいるイメージを持ちます。
人は、金儲けの為だけでは成長できません。一部、お金の執着が強く、能力を発揮できる人もおりますが『人間力』は成長しないため、結局は能力もある一定のポイントで止まり、継続性(質の高いサービスを提供し続ける能力)の無い結果となります。

私達は、『何で毎日働いているのか、何のために働いているのか』という現実と向き合う日々があります。
仕事とは一生の中で多くの時間を費やす大切な日常です。その中でも『何のため、誰の為、この仕事は誰が喜ぶの?』という疑問を持ったままでは、その人自身の能力も成長が進まず、最悪は『無気力』となり、ただ生活するだけの為の仕事となります。
人は『自分が1番かわいい』生き物です。生物上においてはこの本性はしょうがありません。
言葉で自分を悲観していても、結局は自分が1番かわいい為、自分よがりな考え方と生き方をします。
この人間の性を受け入れ、自分自身を受け入れ、今の自分自身を許し、『誰かに喜んでもらいたい』という思いで生活が出来れば幸せだと私は思います。

離職率が高い為、人材の流出入が激しい
✖ 小規模会社で安定していないからしょうがない
〇 小規模会社だからこそ『自分の会社にいてくれる従業員の生活に関わる日々の幸せを必ず守る』という信念を持てば、福利厚生も含めて必ずクリアできるようになる(道は必ず作れる事に経営者が挑めているかどうか)

サービス(業務)の内容をマニュアル化しなくても業務を対応できる要素が高い
✖ 無駄な事に時間を割けない。口で説明すれば事足りる。
〇 従業員の成長やサービスの質向上に必要であればマニュアルも作成する。ただ単に『経営者やリーダーが楽をする為のマニュアル化』にはしない。

マニュアル化についても大切なポイントがあります。

まず、マニュアルというのはそもそもは、『安全』を基準に作られた経緯があります。
これは、戦争時に軍事的戦略において先進国(アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ等)が『国民や兵士の安全』を共有する為に作られたものです。
昨今のマニュアル化と言えば、『この業務はどうすればいいですか?』という問いに対して、『マニュアルがありますので参照してから取り組んでください』というビジネスシステムとなっております。

しかし、これは時に間違いを引き起こします。
『マニュアル通りにしたのに顧客は喜ばなかった』とか、『マニュアル重視にしていた為、業務量が増え、かえって効率も悪く社員の残業も増え、何よりも社員のストレスが増え続けている』という不満を生み出します。

教えるのが負担』と感じる上司や先輩はリーダーには向いていないと思います。
皆さんも子どもの頃に『このやり方は教科書(マニュアル)を見れば分かるだろ』と教師に言われてすぐに理解できましたか?スポーツでも『ボールの打ち方は本に書いてあるから、読んでからヒットを打てるようになれ』と言われて子供が成長すると思いますか?

人は『体感』した事で自分の経験値となり、成長する生き物です。
また、理解力としては体感と別に、五感の中での『視覚』が理解度の大部分(8割程)を占めます。
従業員の『健康・安全』においては『マニュアル化』を映像(漫画や実際の人物などを映像化)として伝える事はとても有効的だと思います。
一方で、『業務効率の為のマニュアル化』は時として弊害となる事を知っておいて頂きたいです。

高度な業務を従業員に任せる機会が多い
✖ 高度な仕事はミスも起こりやすい為、出来る人にやらせる
〇 主観を持たずに高度な仕事を若い社員にもさせてみる

ここも大切です。

確かに高度な仕事はミスの可能性も高いです。なので『高度な仕事』なのです。
リスクが高い仕事を経験値の高い人にやってもらう事は、経営者やリーダーとしては安心です。
しかし、それでは若手は成長しません。

小規模会社から中堅会社へ、中堅会社から大手企業に上り詰める時には、『会社が波に乗っている』と体感している社員も多いと思います。
その時は、『従業員の量』に対して『仕事の量』も増えている為、嫌でも高度な仕事を若手にもやってもらうしかありません。結果、失敗も多いでしょうが、社員が成長するという財産も築けます。

大企業となりますと、その成長した社員が中堅の管理職クラスに成長します。
すると『ミスやトラブルが怖いから』という理由で、若い社員に高度な仕事の経験をさせない管理職が増えます。
部下のミスやトラブルは自分の評価や自分の労力・時間を奪われる可能性が高いと思うからです。
中には、『今の会社の為を考えた時に、未経験者にさせるリスクが高いから、出来る人にやらせているだけ』と今の現状から誰でも分かる事しか決定出来ない上司や管理職・リーダーもおります。
これは、『ただの勘違い』というのが答えです。では、なぜあなたは成長できたと思いますか?という問いに何と答えるでしょうか。

これは、実は多くの企業人の特徴です。
稀に成長し続けている企業もあります。そんな企業の特徴は、『高度な仕事も若い社員にチャレンジさせろ』とトップやリーダーが強く指示をしているからです。優秀なトップは目先の数年だけを大切にするのではなく、数十年後もイメージする力があります。
高度な仕事においては、『経験者と一緒にやってみる(なるべく若い社員を主軸とした形)』体験させ、本人の考えや感触を管理職や上司は確認し、徐々にレベルを上げていくというほうが、結果的に社員も成長できて、会社も成長するという構図です。

勘違いをしている管理職やリーダーの頭の中はこうです。

会社が売上利益を増やす➞ミス・トラブル要因の高度な仕事は経験者がする➞余裕がある時に社員の教育をする
この順番は実は逆なのです。
若手社員に高度な仕事を覚えてもらう(体感してもらう)高度な仕事が出来る社員が増える➞さらに質の高いサービスを市場に提供できるようになる➞会社が成長する

皆さんも想像してみてください。
高度な仕事を体験するだけでも、その社員の『感じる事や考える事』に良い影響を与えるかもしれないと思いませんか?結果、質の高いアイディアや意見が飛び交い、会社の市場価値も高まると思いませんか?
もちろんリスクもあります。そのリスクについては『先輩・上司・管理職・リーダー』がきちんと世話すれば済むと私は思います。

俺忙しいから、そんな大変な事はパス』と言う人を管理職に置いていませんか?
そんな管理職は自分自身の成長もそれ以上は見込めません。だって、自分の考えだけでしか成長できない人なのですから当然です。きちんと『違う意見やノーを言ってくれる環境』を大切にしている人は、伸びしろだらけです。

良い管理職を見極めたいのなら、可能性がある社員に管理職を数年やらせてみてから、『この管理職のもとで成長している社員はどれだけいるのか』という事を、本人との会話だけで判断するのではなく『その部下』達と何気ない会話の中や業務中の態度、顔色を直接確認されてみてください。(現場検証が大切です)
案外、『高度な仕事をやり続けてくれていたから、立派な管理職だと思っていた。でも蓋を開けて見ると若い社員が全然成長していない。』という事に気づくかもしれませんよ。
また会社のリスクとしては、『出来る社員が辞めたらどうするの?体調悪い時はどうするの?』という出来る人が減るというリスク対策にもなります。
本当に多い事実です。成長している会社や価値あるサービスを追求し成長している会社は『若い社員から成長している』会社という事です。

従業員同士でのコミュニケーションが図りやすい
✖ 社員が少ない時は簡単に出来るが、社員が増えればしょうがない
〇 例え社員が増えても、部署が違えど『コミュニケーションが取れる』環境を作る

会社のいい時と悪い時を肌で感じやすい
✖ 従業員のやる気に直結できるからこのままでいい
〇 従業員がどんな感じ方をしているのか上司やリーダーは従業員の肌感覚を知る努力が大切
基本的には、肌で感じる事は大切です。
しかし、大きくなればなるほど肌感覚は薄れます。会社が大変な時でも『自分のにきびのほうが気になる』のが人間の性です。
今現在、働いてくれている人たちは『どんな風に思っているのだろう』と気にするだけではなく、きちんと本音を聞きだせる人が優秀な上司・リーダーだと私は思います。
例え、自分が期待していた答えと違っていても『相手の価値観を知ろうとする』努力を怠ってはいけません。人はそれぞれ違うという事実を受け入れる事、認める事を決して怠ってはいけません。
自分の都合の良い解釈ばかりする人は、人間力の成長が鈍化し、しいてはその人の権限内で働く人たちの能力は衰退し、いずれは生産性は下がり、会社も衰退します。

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