大手ハウスメーカーの従来の業態が市場のニーズに合わなくなってきています。
とはいえ、資金力や人材豊富な企業にとっては『変革の時』を迎えたにすぎないのかもしれません。
個人への住宅販売を売りにしているハウスメーカーは、『住宅ローン』を利用し、サラリーマンにも購入できそうな価格で販売を継続します。
アパート・マンションなどの投資物件に対して銀行融資は大変厳しい審査状況が続く中、住宅ローンは不動産投資ローンよりも規制が緩いため、売りやすい個人住宅の販売をしている状況です。
ただ、不況になり、住宅購入を見送るご家庭も多く、今後は益々売りにくい状況となるでしょう。
日本においては厳しいですが、東南アジアに目を向ければまだまだ需要はありそうです。タイやマレーシア、カンボジアなど、日本との物価価格の差は縮まってきております。10年前は10分の1くらいの物価価格の差があった東南アジアでの現在の物価価格は4分の1くらいまで縮まってきています。
『メイドインジャパン』の住宅は東南アジアにも需要はあるのではないかと思います。
冒頭にお伝えしました、不動産投資ローンは銀行の審査が厳格化され、とても厳しいためアパート・マンションなどの不動産物件販売は減退となるのでしょう。
大手ハウスメーカーの家族向け賃貸アパートを手掛けている企業では、
『新規の顧客はほとんど営業していない。既存のアパートオーナーに建築のご提案をしたほうが早い。しかし、融資がつきにくいため、営業成績も受注も下降をたどっている。』と発言されていました。
『商業施設』も『共同住宅』も、ハウスメーカーは全般的に売上が下降トレンドとなっています。
日本国内での建設関連では売上上昇は見込めないと思います。
ただ、築年数が古い物件での『建て替え』や昔からある『相続税対策』での建築は少なからずまだ需要はありそうです。
ハウスメーカーが生き残りを模索する中で、賢い経営手法としては、大手ハウスメーカーは賃貸事業を展開している企業が多く、その賃貸物件(管理物件)で稼ごうという構造体に変化させています。
例えば、アパートマンションのLPガスは、LPガス会社から管理しているアパートマンションにガスを供給しており、ガス代金の一部をハウスメーカーの売上利益とした稼ぎ方をしています。
また、アパートマンションオーナーに太陽光パネルを販売したり、資金が足りない為太陽光は設置しないというアパートオーナーからは『屋根を安くで借りる』事をし、ハウスメーカー自ら太陽光を設置して売電収入を得ています。
他にも、入居者の『火災保険・家財保険』を大手保険会社の代理店として販売しています。通常の火災・家財保険は1.4万~2万程です。そのうち20%くらいが代理店報酬ですので、管理物件をたくさん保有しているハウスメーカーはこの代理店報酬だけでもかなりの金額を稼げます。
さらに、アパートマンションのお部屋のリフォームや清掃、建物の大規模修繕(防水工事・外壁塗装工事)なども、売上の一部はハウスメーカーの売上と言う仕組みを構築している企業が多いです。
このように、日本国内での建設関連での売上利益の向上は見込めない為、今は物件を管理しているだけで稼げる方法に方向転換しており、今後は管理物件だけで企業の収支が保てるようにする企業が増えるでしょう。
問題は、この収益構造の仕組みでは今までの社員数が必要なく、最小の人数での企業運営となることです。
つまり、人員の削減(リストラ)が、加速することになります。
また、潰れにくい企業体質にするという事はいい事ですが、業績が伸びることもありません。
よって、企業は『業績向上の成長』か『潰れにくい安定企業』にするのか、選択をすることとなります。
アパートマンションオーナーが気をつけるべきポイントとしましては、
『家賃の減額』と『ハウスメーカーとの賃貸借契約の打ち切り(解約)』です。
この2点については避けられない問題だと思います。
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