不動産業界のコスト増に悲鳴

前回の記事では、お部屋の退去後に発生する『原状回復作業費』において材料費が高騰している事をご紹介させて頂きました。
今回も具体的な価格や今後の不動産業におけるコスト増によるリスクについて触れてみたいと思います。

まずは、昨年と今の価格の違いを比較してみましょう。
※注意※価格はあくまでも予測額であり、全てが一律ではございません。

~ コストの比較 ~

・壁クロスの費用(㎡1,200円程)⇨現在は㎡1,400円~1,500円程
※アクセントクロス(オシャレな色のクロス)は+400円程かかります。

・クッションフロア(トイレや洗面化粧室の床材)㎡3,000円程 ⇨現在は㎡3,400円程

・一般賃貸物件でのお風呂場や洗面化粧台の鏡交換費用 1枚8,000円~12,000円 ⇨現在は+3,000円程

・水栓レバー本体交換(キッチンやお風呂)1個5~6万円程 ⇨現在は1個7万円程

・ウォシュレット(一般平均価格)1個3万円程 ⇨1個5万円程

・網戸(平均価格)1枚2,500円~5,000円程 ⇨現在は+2,000円程

・ルーム清掃費用 1時間の基本作業で3,000円程 ⇨現在は+1,000円程

コストが増加している要因は、『原油やガス等のインフラ価格が上昇している』という事が大きな要因です。
また、施工作業をする人たちは車での移動が主な為、ガソリン代も上昇中の為、その他の諸経費も増加中です。
こんな状態が4月から続いておりますが、不動産業界にとって1番退去が多い月が4月末~5月中旬です。
これは転勤や生活環境の変化が1番多いと言われている月だからです。
例えば、結婚を機にお部屋を退去したいとか、同棲するからもう少し広めの部屋に引っ越すという個人的な要因もなぜか4月~5月に集中します。
この要因を個人的に分析した結果は、『多くの入居者が4月付入居の為、更新月の更新料を支払わなくて良い4月末までに退去する』という事が大きいと思います。
こんな退去件数の1番多い時期に、原状回復作業費用のコスト増加は大家さんにも多大な負担を強います。
今までよりも2割~3割も多い原状回復作業費用を負担しなくてはいけないので大変です。
家賃も上がってくれればよいのですが、多くの大家さんが空室リスクを恐れて家賃の値上げには踏み切らないため、少数の大家だけ値上げしても意味がありません。
赤信号皆で渡れば怖くない、でも一人で渡れば事故に遭う。まさしくそのような状態だからです。
私達大家業を営んでいる人や、不動産会社で働いている人からするとこのコスト増の状態は避けられませんので、ある程度覚悟を決めて受け入れなければいけません。
ハウスメーカーでサブリース契約や家賃保証をしている企業もございますが、このコスト増により企業の収益は悪化を辿っているそうです。おそらく不動産系企業の9月頃に行われる中間発表ではほとんどの企業が利益減少を発表する事となるのではないでしょうか。
テナントを貸してる大家さんや不動産会社も大変です。
飲食に伴う原料費は2割~4割負担が増えていますので、中には『苦しいからテナント費用を下げてくれ』と言うお店も続出しているそうです。
福岡の繁華街(中洲)にある某飲食店では、原材料の高騰による利益減少を見かねて、『数十件のお店と連携してテナント会社に賃料減額の交渉をしている』という事も聞いております。
それだけ国内は不景気の最中であるという事ですね。
今の国内の状況は不景気で収入は上がらないの物価が上がり続けているという奇妙なインフレーション状態です。
このインフレーションの状態は健全ではないですが、とはいえ、私達は戦争や大災害を機に景気はすぐに悪くなるという経験もしている最中です。
収入は不安定、株価や投資の先行きも不安定、支出は増え続けている、このような状態を全て経験している年です。
これからは、『忍耐力があり、行動力があり、判断力もあり、誠実な人』が困難を乗り越える人ではないでしょうか。
 
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