大手ハウスメーカーの家主(アパートオーナー)ってどんな人?

アパート事業は家主にとっても事業です。大手ハウスメーカーと称される従業員が建物賃貸料は下がりませんと言ったとしても、賃貸借契約にも謳っている借地借家法を無視して契約し、ピンチになるとサブリース業者(大手ハウスメーカー)のせいばかりにして何か解決するのでしょうか。

 一般のアパートマンションを所有している大家さんには、ハウスメーカーのアパートオーナーには分からない地道な努力が多く繰り広げられています。

 まずは、自分のアパート建設をする地域の貸出家賃相場を知る事、そして万が一任せている不動会社が倒産した場合に、不動産の運営や売却を余儀なくされた時のシミュレーションをしているかどうか。はっきりと申しますが、この仕事は家主の責任です。

 家主も色々な欲があり、アパートを建設したのですから、自分でも勉強し自分の事業を成功に導く努力を怠ってはいけませんよね。

 私もアパートを所有しています。借金も1億円近くあります。

 空室になれば収入は減り、なのに修理が必要な事が発生したり、あれこれと毎月のように支出があります。その中でも管理会社と少しずつ信頼関係を築く努力や自分のアパート事業に手助けをしてくれている仲介業者や管理業者さん、毎月物件清掃をしてくれている清掃業者さん、急なトラブルにも駆けつけてくれている業者さんを敬う気持ちは当然に持っています。

 なぜか、ハウスメーカーのアパートオーナーの3割~4割くらいは『感謝の気持ち』が欠如している様子です。
この要因も私の見解で明確にお答えできます。

 『大手のアパートオーナー(家主)で勘違いしているヒトの特徴

  • 努力もしていないのに自分の利益ばかりきにしているヒト
  • 現実の不動産事業の厳しさを知らないヒト
  • 万が一、任せている企業が倒産したり、契約を解消(解約)された時にどのようにしてアパート事業を自分ですればいいかイメージができていないヒト
  • アパート建設の契約交渉からアパート建設まで、いい話ばかりしている営業マンとばかり仲良くしていたヒト

主にこの4つが要因だと私は思っています。

全て当てはまる人もいれば、一つだけ当てはまる人もおりますが、どれもはまってはいけない要因です。

私は某企業の福岡支店でアパート建設の営業をしている時に、サブリース物件を所有しているオーナー(家主)から怒られたことがあります。

 『前の担当者はオーナーを敬っていたが、あなたは失礼だ。今後はあなた以外の人に担当してもらいたい』

こう怒られました。

私は、このオーナーにとっては『余計な現実』をお伝えしたからです。

このオーナーの物件は、駅からもバス停からも歩いて15分以上もかかるのに、駐車場が1台もなかったんです。

 私は、『今後のアパート事業成功の為には、物件の部屋数に対して、せめて半数分の駐車場を確保しておかないと、後々アパート事業が苦しくなった時に定額賃料は大幅に減額され、オーナーも嫌な思いをする可能性が高いです。』と言いました。

 たまたま、この物件オーナーの近くでアパート建設してくれるかもしれない新規の地主への接客があったため、もしかしたらこの新規の地主とお知り合いで、今後の進捗に関わると思いついでに訪問しました。

 最初は快くご自宅に上げてくださり、お茶も出して頂きました。

『お宅にはとてもお世話になっています。いつもありがとう』

このような言葉まで頂いたのですが、聞けばこの物件オーナーは自宅を建て替える計画があるそうで、子供も巣立ったため今よりもコンパクトな自宅にするという事でした。私は、その物件オーナーのアパートに駐車場がないことがどうしても気になり、せっかく建て替えるのであれば、あまった敷地の一部を現在私の会社が管理運営しているアパート用の駐車場として利用させて頂けないでしょうかと聞きました。
(アパートとオーナーの自宅は隣同士に建っていました。)

 すると、その物件オーナーは、
『借りてくれる金額による。いくらで借りてくれるか提示してほしい』と言われたため、
私はその場で賃貸事業に詳しい賃貸部の副部長に電話をし、聞いてみました。
回答としては、相場の駐車場賃料の半額が限界だろうという事でした。

 私は素直に聞いたことをお伝えしましたが、オーナーは険しい顔をします。
『安いね。それなら月極であなたの会社以外の人に貸出す形で地元の不動産会社に管理させた方がいい』と言い放ちましたので、私も少し熱くなり、この物件地域でのアパート事情について今後のリスクも踏まえ、お話をしました。結果、怒られました。

 後日、このオーナーは私に電話もしてきました。

『あなたの言いたいことは分かるが、こっちの立場としては半額で貸す気はないよ。お宅の事業として必要というならきちんとした金額を提示しなさい。誠意を見せないと、まだ余っている土地についても今後はお宅の会社以外での会社でアパート建設を検討する』

 私は、このオーナーにも、このオーナーが所有している物件にも全くもって興味が失せ、どうでもよくなりました。

私は本音で、『どうせ、このままの状態ではアパート経営は上手くいかずに、会社側から大幅な家賃減額がいくだろうし、それでいいや』私は正直、そう思い、それ以来このオーナーとは口も聞くことなく終わりました。

だって、どうでもいいんです。こんなオーナーに時間を割くぐらいなら、真剣にアパート事業に立ち向かって努力してくださっている他のオーナーに私の時間を使いたいと思うので。

 ここに、大手ハウスメーカーのオーナーとの関係性の問題が裏事情で存在しています。

 会社の役員や管理職は、オーナーと会うと

『全オーナー様に公平に、紳士に向き合い事業を営みます』なんて言いますが、これって、ただの言葉でしかありませんよ。

 だって、実際に入居者へ貸し出したり、管理したり、大変な日常業務を遂行するのは現場の社員ですので、現場をしらない管理職や役員がどんなに建前を言っても、現場の社員の心に響いていない限り、現場は難しい物件なんて後回しにします。

 結果、その物件は収支赤字となり、大幅な減額、特には建物契約の解約を促しおさらばしようとします。

 このオーナーはまだ土地があるからアパートを建設してくれるかも知れない、そう感じるオーナーにはアパート建設の部署の役職者や営業マンは優しくします。自分の成績ノルマの為、歩合給の為に。

当時の社員の中には誰一人、この間違った考えのオーナーと向き合おうとか、まずはこのアパートをオーナーと一緒に黒字運営する為の努力を根気強く話し合おうなんて気持ちはありませんでした。

 またアパートを建築してくれるかどうか。そればっかりです。

 よって、このようなオーナーにはアパート建設営業の社員が無駄に優しくしたせいで、根本のアパート事業(管理・運営)はどんどん赤字となります。
私は当時を振り返り、ハウスメーカーというのは臭いものにふたをする業界だと言っても間違いではない自信があります。

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