不動産業界も不況です(コスト値上り)

昨今のロシア・ウクライナ戦争をきっかけに各国が経済制裁を下した結果、
原油等の資源が高騰(約20%~30%上昇)しております。

とうとう、不動産業界にもその資源値上がりが打撃を与え始めました。

例えば、今までの入居者退去後のルーム清掃費用では、1K・1Rでルーム清掃費用が平均30,000円程であったのに対し、15%程の値上げに踏み切った清掃業者が多いです。
これは清掃に使用する材料の費用が高騰している事と車等で移動するガソリン代の負担増も要因です。
クロス(壁紙)の張替単価は通常の白いクロスで㎡1,000円~1,200円に対して、20%値上がりの1,200円~1,400円程。
トイレや洗面所の床CF(クッションフロアの略語です)も㎡単価が今まで2,700円~2,800円だったのに対して、今では3,200円~3,400円程の単価に上昇中です。

他にも、お風呂場の鏡水栓レバー蛇口、シャワーホース、バスルーム、キッチンシンクなどなど、
ほぼ全ての設備が20%以上も値上がりをしています。

この値上がりはまだまだ上昇する可能性も高く、これからお部屋を退去する入居者や空室を迎える大家さんにとっては大打撃となるでしょう。

さらに水や電気、ガスといった生活に欠かせないインフラ費用も上昇しました。
収入は減り、コストは益々増加するという大変な状態です。

修理業者や清掃業者は値下げは出来ないのはもちろんの事、おそらくほとんどの業者が値上げを実行します。なぜなら、赤字で仕事をするという悪循環を業として行う訳にはいかないからです。

ここで不動産業界には大きな問題も存在します。
それは、『入居者の退去後のルーム清掃費用の金額を賃貸借契約書に記載している』という事です。

賢い不動産業者さんは、『退去後の費用はお部屋の状態を確認し後に入居者・大家が項目ごとに実費精算とする』という社会情勢や経済事情にも対応できるよう契約書に記載しております。
しかし、金額を書いてあったほうが新たな入居者を安心させ、成約させやすいと勘違いしている賃貸会社は自らの首を絞める状態と課すでしょう。

そもそも、退去後のルーム清掃費用や修繕費用は実費で問題ないのです。
必要な費用は必要ですし、安易に入居者や大家を安心させようとする行為がこのような社会情勢になってしまった時には余計にストレスと不安を与えてしまいます。
経年劣化(物自体が古くなり、交換や修繕が必要な状態の事)に伴う費用は大家が負担し、
入居者の善管義務(借りているお部屋の設備や物を日々丁寧に綺麗に扱う事)に対し、違反している状態は入居者負担とすればよいのです。

『入居者が支払わなくて逃げる可能性があるから契約時に徴収しておきたい』という不動産会社もありますが、そうであれば、『入居者の善管義務をきちんと果たしている状態での本物件のルーム清掃基礎費用は約●●万円ですので、この金額は契約時にお預かりさせて頂きます。退去後にこの費用内で生産が可能であれば問題ないですが、入居者さんの使用状況によっては別途費用負担が必要となるケースもございます。』と文面でご説明し、綺麗に使用した場合の清算費用の仮のシミュレーションとペットを勝手に購入したり、入居者の過失で色々なとこを壊したり汚した場合の悪いシミュレーションを見せて、『こんなに支払いたくないのなら綺麗に使用してね』と悟らせれば良いと思います。
そしてこれからは、『経済事情や社会情勢に伴い、費用負担の金額が変わる事も大いに御座います』という注意分も読み聞かせ、署名と捺印をしっかりと頂いておけばトラブル防止にも役立ちます。

新型コロナウイルス感染の環境下において私達の生活模様は変化し、業態も変化を求められました。
そしてこの悲劇の戦争中である中、不動産業界においても新たに将来のリスクと未来を見据えたサービスと業務形態に変化しなければ『お客や協力業者に喜んで頂ける不動産会社』とはかけ離れ、益々不必要と判断される会社へと落ちていくのでしょう。

ちなみに、建設業界も外壁塗装業界でも同様な値上がりが進んでいます。
このような時には、『誰しもが辛い時期』であることを理解する事が重要です。
そして、『耐え凌ぐ期間』であることを受け入れ、覚悟を持つことです。

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