経営者にとって実際に支払う経費は少ない方がいいですよね。
世間の雰囲気からすると『規模縮小による経費削減』(閉店)や『支出削減の為のリストラ』が増加傾向に感じます。大手企業はリストラを加速させていますが、中小企業は人は減らしてはいないが給料・ボーナス等の処遇が悪くなっている傾向ではないでしょうか。
中小企業でも事業所の縮小や人員削減を実施している所もおおいですが、中小でそれらを行うことは倒産が迫ってくる(終わりが近い)というサインです。そこから這い上がる会社や人もいるとは思いますが、割合としては極少数だと私は思います。それだけ日本国内の中小企業はギリギリの攻防を常に頑張っている状況だと思います。
ふと油断しますと、我々のような小規模事業者は写真のように経済市場から追い出されます。
大家業にとっても経費(実質的な支出)は少ない事にこしたことはありません。
ただし、安易な経費削減は自分の首を絞める行為となるケースもあります。
自分の首を絞める行為の経費削減とは、
これが危険な経費削減です。
例えば、入居者の契約を取ってくれる賃貸会社への支払い(成功報酬額・広告報酬額・業務報酬額)を安易に削減すると、次回から入居付けを率先してはしてくれなくなります。
空き部屋の数と空室期間が増え続けている要因の一つです。
たまたま空き部屋が増えたという事もありますが、よっぽどへんぴな場所や物件でなければある程度は入居者の成約を頂けます。もちろん、大家さんによる『貸出家賃の減額』や『サービス向上の実施』(設備投資や報酬額の増額等)という努力を惜しんでもいけませんが、ある程度は賃貸管理会社の力でなんとかなるケースも多いです。
他にも、定期的に物件を清掃してくれる業者への支払い額の減額交渉や入居者退去後のルームクリーニング費用、他に物件の修理や修繕が起きた時の業者や職人さんへの支払いなど。
これらを根拠なく値下げする行為はあまり得策ではありません。
ただ言われたお金を支払うことがいいという意味ではありませんが、適正な額であればきっちりとお支払いする事が今後の業者さんによるサービス内容(仕事の質)を落とさずに済みます。
適正な価格で減額要求を呑むという事は、『質を下げる』か『業務内容を減らす』という行動を誘発します。
この間まで綺麗だった物件がだんだんと汚れてしまったり、新たな入居者を獲得しようとしても『退去後のルーム清掃があまり綺麗じゃない』という理由でお部屋を見た入居希望者が申し込みを辞退されたりするケースもたくさんあります。
経費削減の良し悪しについて私の結論を申しますと、
それ以外の経費削減(固定支出)は計画を立て即時実行すべき!
収入が下がる要因となる経費削減を安易にするとその場しのぎで終わります。
そして、収入を上げようとしたときにツケが生じて、倍の努力は必要となります。
私は6年前にこの失態を犯してしまっているので、絶対にその場しのぎの経費削減はオススメ致しません。
人にはそれぞれ色々な感情がありますので、見落とさずにご注意ください。
上記以外の固定支出の削減については私は賛成です。
よくあげられるのは、『金融機関への返済金や利息額(金利)』の減額です。
金融機関の評価は早めにお金を返す人を褒めてくれます。早めにお金を返すと自分の返済も減り、収入の手取り額は増えてとても良い事です。
所得税や相続税の事が気掛かりな人は、不動産の実務と税務に強い会計士や税理士・ファイナンシャルプランナーにご相談する事をお勧め致します。