南海トラフ地震 確率90%に引上げ

本日は、今年に入り内閣府より『南海トラフ地震』の可能性(確率)が引き上げられた事を主題として、いくつか不動産の観点も加えて記事にさせて頂きました。

 駿河湾から遠州灘、熊野灘、紀伊半島の南側の海域及び土佐湾を経て日向灘沖までのフィリピン海プレート及び
 ユーラシアプレートが接する海底の溝状の地形を形成する区域を「南海トラフ」といいます。

この南海トラフ沿いのプレート境界では、①海側のプレート(フィリピン海プレート)が陸側のプレート(ユーラシアプレート)の下に1年あたり数cmの速度で沈み込んでいます。②その際、プレートの境界が強く固着して、陸側のプレートが地下に引きずり込まれ、ひずみが蓄積されます。③陸側のプレートが引きずり込みに耐えられなくなり、限界に達して跳ね上がることで発生する地震が「南海トラフ地震」です。①→②→③の状態が繰り返されるため、南海トラフ地震は繰り返し発生します。

南海トラフ地震の発生メカニズムの概念図日本付近のプレートの模式図

では、簡単に南海トラフがどれほど危険かをお伝えさせて頂きます。

まず、政府が今年に入り『おおむね40年以内に南海トラフ沖でマグニチュード8~9の地震(災害)が起きる可能性を90%程』と改定しました。※去年までは確率80%~でした。

このマグニチュード8~9はどれほどのものか想像がつかないという人も多いかと思います。

まず、1923年の関東大地震の際のマグニチュードは7.9
阪神淡路大震災のマグニチュードは7.3
東日本大震災のマグニチュードは9となっております。

マグニチュードは単純に1増えたか少ないかぐらいの感覚を持ってしまいがちですが、それは大きな誤解です。
 マグニチュードの値が1増えると、その地震のエネルギーは約30倍(厳密には31.6倍)と言われております。東日本大震災では、阪神淡路大震災よりもマグニチュードが2増えております。
2増えたという事は、1000倍になります。
つまり、マグニチュード9クラスの地震はマグニチュード7 クラスの地震の1000個分のエネルギーがあることになりま す。

また東日本大震災ではマグニチュードの発生源は遠い海の海底で発生しましたが、南海トラフは日本列島のすぐそばで発生すると言われており、被害は東日本大震災の数十倍にも上るという学者さんもおります。

例を上げますと、政府が公表している南海トラフ大地震発生後の津波の高さは1番高い所で30mの高さがあると予測しております。これはビルの高さで例えると10階建相当の高い津波です。

東日本大震災では高さ10m(ビルの高さで3階~4階くらい)の津波が尊い命を奪っていきました。
その3倍もの津波となると怖くてイメージもわかないほどです。
しかも、津波と言えば👇こんな図のようなイメージかもしれませんが、

実際には、高さ30メートルの海水の大きなかたまりが私達に襲ってくるというのです。

さらに、南海トラフは海からの災害だけではないのが恐ろしい災害です。
皆さんも記憶に新しい『2016年4月16日の熊本震災』が分かりやすい災害です。
この熊本震災は、『陸地の地震による災害』になります。
南海トラフ大地震では、この陸の地震と海からの災害が合わさってくる可能性もあるそうです。

40年後かもしれないし、明日かもしれないのが『おおむね40年内に90%程の確率』という事です。

『そんな大災害がきたら全て終わりじゃん』と投げやりになる気持ちもありますが、少なからず準備出来る事もあるはずです。

例えば、災害の際に気を付けるポイントを皆さんはすぐにお答えできるでしょうか?
当然、その時に冷静に判断できる保証はありませんが、対策を知っておくのと知らないのではもしかすると命に関わる危険度が違ってくるかもしれませんよね。

消防局の方に教わったのは、『まずはハザードマップを信じすぎない事』だそうです。
東日本大震災では「釜石の奇跡」とニュースになっていたのを覚えているでしょうか。

東日本地震発生直後、釜石東中学校の生徒達は直ちに学校を飛び出し高台をめがけて走りました。
近所の鵜住居(うのすまい)小学校の児童や先生達は校舎の3階に避難しようとしていましたが、
「3階より高い津波が来たら大丈夫なの?」という声と避難する中学生の様子を見て、すぐに校舎を駆け下りあとに続きました。
 避難先指定の施設にたどり着き、脇の崖が崩れかけているさま、津波が家々を壊している光景を見た生徒が「ここじゃだめだ!」と先導し、さらにうえの高台に避難をしました
高台に着いたとき、背後で巨大な津波が学校を、そして町を飲み込んでいました。
この津波に飲み込まれた大半の学校や土地はハザードマップでは『おおむね安全な場所』に位置していたという事実があります。

この釜石の奇跡で学ぶことは、『もしかすると、もっと大変な事になるかも知れない』という事を自ら考え避難した事です。もしハザードマップを信じていたら、さらに多くの尊い命が失われていたと思います。

逃げる時は最小の荷物で、どこに逃げるべきかを普段から考えておくのもいいかと思います。

人は、『自分が慣れている道に逃げるクセ』があるそうです。
慣れているから安全とは言えませんので、普段からイメージを持って逃げる備えをする事も大切です。
運動がてらに、今日は災害に備えてルートを模索してみようという事をテーマに散歩するのもアリですよね。

最後に、阪神淡路大震災で起きた火災の要因の中で『電気ストーブをつけっぱなしにしていた』という家も多かったそうです。
地震発生時は停電があり、ストーブは消えます。しかし、しばらく時間が経つと電気が通り、地震で倒れて来た燃えやすい物などに引火し火災が発生したという事例も多いです。
地震後に外に逃げる時には『必ずブレーカーは落とす』という事を覚えておいて頂きたいです。
ブレーカーを落としておけば電気通電の復旧後も電気による事故は起きにくいと思います。

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