5000万以下の不動産投資が過熱

最近の不動産投資に対する融資規制が厳しいため、各金融機関は融資の基準と規制を遵守した融資実行を目指しています。

おおまかに書き出しますと、
①融資対象者が融資金額の2割~3割のプラスの資産を保有しているかどうか
②現在の借入と資産のバランスが正常かどうか(負の資産が多ければ融資は厳しくなります)
③融資対象物件が資産価値として魅力があるかどうか
④融資対象者の生活に危険が及ばないかどうか

この4つのカテゴリーをクリアすればある程度の不動産投資に対して融資実行をして頂けるケースも増えています。

まずは、①~④を少し解説させて頂きます。

~解説~
①融資対象者が融資金額の2割~3割のプラスの資産を保有しているかどうか
⇨これは単純に現金や現金化できる資産がどのくらいあるかという事です。
融資対象物件の購入価格が1億円であれば、2,000万円~3,000万円の資産を保有しているかどうかという事です。
ここで注意点があります。それは②の状況と併せて審査される事です。

②現在の借入と資産のバランスが正常かどうか(負の資産が多ければ融資は厳しくなります)
⇨現在の借入が1.5億円だとします。(自宅ローンと不動産投資ローンの2つの借金)
そうしますと、①のように3,000万円の資産(現金化できる資産)を持っていたとしても、
3,000万円-1.5億円=-1.2億円となります。
よって、この状態で価格1億円の不動産を新たに購入する事は困難になります。

③融資対象物件が資産価値として魅力があるかどうか
今度は、購入予定の物件の資産価値を審査されます。
単純に言いますと、金融機関は融資対象物件に融資を実行(お金を貸す)した後、
10年後にその不動産を売却しても損しないという基準での融資金額を設定します。
要は、所有者が破産したり、返済が出来なくなってもその不動産を担保にお金を貸しているため、
担保として預かっている不動産を売却すれば借金は回収できるかどうか、
これが金融機関にとって大切な審査の一つです。

④融資対象者の生活に危険が及ばないかどうか
たとえば、自営業者の人が不動産投資として銀行に融資を希望したとします。
しかし、その不動産投資の借入比率が多ければいずれその人への手出し返済を求める事となり、
自営業のお商売にも影響を与える結果になっては元も子もありません。
あくまでも、その融資対象者が不動産投資に頼らす生活が出来る属性なのか、
不動産投資が生活の重荷にならないのかも慎重に審査をされます。
⇨参照:返済比率・事業リスクのシミュレーション

お金持ちやプラス資産1億円越えの人であればあまり気にしないでもいいかもしれません。

しかし、不動産投資家の多くはプラス資産が5,000万円未満が圧倒的に多いです。
プラス資産5,000万円ときけば、『それだけでも凄いんじゃないか』と思われるかもしれませんが、
今所有している不動産を売却したり、株を現金化したりとかき集めてようやくたどり着ける数字です。

さらに細かく分析するとプラス資産2,000万円以下も多いです。
中には、現時点で赤字(マイナス)資産家も多いです。
おそらく私の経験と予測からするとプラス資産5,000万円越えは1割、
5,000万~2,000万円は3割、2,000万以下は3割、赤字資産家は3割だと私は思います。

改めてご説明させて頂きますが、
3億円の不動産(借金2.5億円・現在売却した場合の不動産価値は2.5億円)と現金2,000万円、
株など有価証券を1,000万円、住宅ローンが5,000万円(自宅を今売却した場合の不動産価値4,000万円)の資産を所有している資産家の場合の財産は、

【プラスの資産】
〇不動産 2.5億円
〇現金  2千万円
〇株   一千万円
〇自宅  四千万円
合計のプラス資産は3.2億円です。

【マイナスの資産】
〇不動産の借金  2.5億円
〇住宅ローン   五千万円
合計のマイナス資産は3億円です。

よって、この資産家の純資産はプラス2千万円となります。

このように自分の資産を改めて見つめ直すことも大切です。
毎月の返済により借入が減ればマイナス資産が減り、プラス資産が増えると単純に考える人もおりますが、
毎月の返済には時間も経過します。よって、プラスの資産である不動産や自宅も古くなり、価値は落ちます。
返済が一気に減ればプラスの資産は増えますが、毎月コツコツと減らすのであれば、プラスの資産価値も自ずと減ると考えておく方が一般的です。

このような現実が不動産投資家の中で蔓延しているため、
融資がつきやすい5,000万円未満の不動産投資』に注文が増えます。
ここで小規模(5,000万未満)の不動産を所有している売主にはチャンスの時期とはなりますが、
ある程度価格も買いやすくないと銀行の厳しい審査や購入意欲のある投資家の興味を引き付ける事はできません。

参考事例でご紹介するのは、不動産投資家の中でもかなりの玄人と呼ばれる人たちの計算式を参考にしたものです。
ぜひ、ご参照ください。
玄人が参考にしている『失敗しない不動産購入の準備知識』

中には、さらに少額での戸建をいくつか購入し、今の不況でも資産価値を高めようと意欲的な投資家もおります。
その意欲があり万全な準備をして購入したい人へは、⇨(参考)戸建購入『女性でも出来る不動産投資』

戸建は上手に購入し、リフォームを施し貸出せば数年でプラスとなる物件もあります。
(目安は購入費、リフォーム費用の回収を5年未満で終わらせる事です)

これから不動産市場や経済情勢はさらなる不景気となるというのが私の予測です。
反対に言えば、この不景気で勉強し努力し、生き抜く力を身に付けるには絶好のチャンスです。

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