私のお客様には、
サブリース物件(物件を1棟丸ごと借上げてもらい、毎月空き部屋に関係なく定額の賃料を貰う事)
をご所有している方も多いです。
アパートにマンション、中にはテナントのサブリース物件もございます。
先日、サブリース物件を所有している方より、
『毎月の定額家賃が減らされた。』
という電話が入りました。
サブリース業者と交渉していたが、上手く折り合いがつかなかったらしく、
『サブリース業者側が、家賃を減額しますよという文面にて内容証明が届いた後、その翌月に家賃を減らされた金額が振り込まれた』との内容です。
ここで、整理が必要です。
このことは法的に問題ないのかどうか、
まずは、借地借家法上では、
①いつでも、近隣同種相場家賃、公租公課、経済事情に変動を勘案してお互いに増額・減額の請求が可
②10年家賃の固定期間、など大家を保護する内容があったとしても実際にはいつでも家賃減額請求は可
(※借主に不利な内容は無効となるケースもあるそうです。)
③家賃の金額は、近隣の同種物件等を考慮する必要がある。
④家賃の決定・合意、もしくは調停や裁判などでの『確定判決』が下るまでは今までの賃料を支払う必要がある。
※賃料が確定し、今までの賃料との差額分は交渉・協議開始時期に遡り、差額分を支払う必要がある側が利息を付けて支払う。
この内容を見る限りでは、内容証明や通知をして後に、業者側が家賃を減らして振込むのはいけない事であるという感じがしますね。
ただ、家賃の減額をする側にも保護されている法律もございます。
『形成権(けいせいけん)』と言われるものらしいです。
一応、知り合いの弁護士に聞きましたところ、
『家賃を振込む側が、きちんと大家側に家賃の減額内容をお伝えし、また書類等でお渡しをして、それでも相手側との話し合いが出来なかった場合や折り合いがつかない時、近隣同種家賃に従って妥当である家賃まで減らして振込むことは、その業者の形成権の主張により可能』との事でした。
少し難しいお話しの為、私なりの解釈ですがですが、
『大家さんの主張がわがままで根拠もないのであれば、きちんと筋を通した後に減額した家賃を振込む事も借り手の権利である』という事なのかな、と思いました。
さらに個人的意見を言えば、
サブリース業との話し合いが嫌なのであれば、サブリース契約の解約をするのも一つです。
一般の管理物件として上手く運営ができるかどうかを大家さんは真剣に検討するのも一つです。
(※だた、場所や物件によって一般管理物件にする事は本当に厳しい可能性も有りますよ。)
おそらく、世間では『自分の自己責任で行う事業が不動産事業』という認識ではないでしょうか。
ともあれ、大家は誰に感謝し、誰と向き合うべきなのか考える良い機会かもしれませんね。
反対にサブリース業者は、強制ではなく誠意をもって穏便に御話合いをしてもらえたらと思います。
いくら借りてくれているといえ、最初にいい話ばかりしたのはサブリース業者のほうであったという事も
よく耳にします。
後から強気な態度で来られると、人間誰でも腹が立つものですよ。