最近では賃料減額訴訟(調停)が増えてきておりますが、
はたして、物件オーナーはサブリース会社の言いなりとなるべきなのでしょうか?
私の見解を述べさせていただきます。
(個人的見解ですので、あくまでも考えの一つとしてご参考ください)
まず、
『サブリース会社の言いなりになるかどうか』について、
もちろん、言いなりになる必要はございません。
自分の物件の利益に関わる事ですから、
サブリース新法では、
『貸主(物件オーナー)と借主(サブリース業者・会社)の双方で協議する事』
としております。
ですので、どちらか一方の請求により賃料が決まるという事はありません。
しかしながら、協議(話し合い)がまとまらなければ、
どちらかの申し立てにより『調停』となるケースも多いです。
サブリース会社は、大手企業のケースが多いと思いますので、
この賃料減額請求について、不当な交渉をしてきた場合には、
物件オーナーが勝つ可能性もございます。
例えば、
『減額請求に合意しなければ、サブリース契約を破棄(解約)しますよ』
『減額請求に合意しなければ、〇月の賃料より、強制的に賃料を下げて振込みますよ』
『今すぐに合意してくれないのなら、どんな手段を使うかわかりませんよ。』
という風に、『脅し』や『脅迫』を使用した場合には、
そもそも違法行為ですので、物件オーナーは合意しなくても良いですし、
何より、合意したとしても『物件オーナーが善意無過失(何も落ち度がない事)』であれば、
その合意は無効とされるケースもございます。
ただ、
今の時代に、大手企業が『脅し、脅迫』を使用する事は考えにくいです。
会社のイメージダウンや、何よりも『業務停止』の命令が下り、
企業の利益に悪影響を及ぼす可能性もあります。
また、サブリース会社側は、
『なぜ減額請求を行うのか』という理由を、明確に法に従いご説明する義務があります。
この説明を、『重要事項説明』として、説明する事も大切ですが、
根拠の内容も示すことが求められます。
例えば、
近隣相場家賃の根拠となる資料を物件オーナーに提出する事や、
中には、『鑑定書』を作成し、提出する企業もあります。
反対に、
サブリース業者側が法を守り、丁寧に説明義務を守り減額請求をしてきた場合には、
物件オーナーも協議をする義務がございます。
なぜなら、物件オーナーは消費者ではなく、『事業者(事業主)』であるからです。
ここで本質の問題に触れます。
物件オーナーもサブリース会社側も、
自分たちの利益のみ優先するような交渉を繰り広げても、協議は不調となる可能性も有り、
また、関係も益々悪くなることも想定できます。
そうなりますと、いずれは離婚(解約)となることもあり得る為、
本当に離婚しても良いかどうかを双方がよく考える事です。
もうこの物件とは別れたい、このサブリース業者とは関係を断ち切りたい、
そう願うのであれば、解約に向けて協議すればよい事ですし、
無理にお互いが付き合う必要もないのではないでしょうか。
嫌い同士が一緒に生活を続けるのは苦痛であり、
何よりも不幸なことかもしれません。
それであれば、別の選択肢をお互いが考えるのも有りだと私は思います。
サブリース会社も、利益が赤字の物件であれば真摯に物件オーナーと協議をし、
物件オーナーも、賃貸経営は慈善事業ではないので、真摯に向き合う事が大切です。
このお互いの真摯さがあれば本来は問題は起こりにくい事です。
サブリース会社は、『多くの情報量と知識を兼ね備えている側』として、
交渉先には充分な情報を開示し、真摯に物件オーナーと向き合う事をお勧め致します。
※過度に法律の話や理屈を相手に突きつけるのではなく、丁寧に丁寧に説明しましょう。
※物件について、賃貸経営として伝えなければいけないリスクや悪い内容でも、
事業者である物件オーナーと日頃より、情報を共有してください。
※物件についてのレントロール(収支状況)も物件オーナーに正直に情報を開示しましょう(嘘はダメです)
物件オーナーには、根拠のないわがままを振りかざさず、
相手側の説明に真摯に耳を傾ける事をお勧め致します。
(儲かっている黒字物件であれば、物件オーナーは自信を持って根拠を示しましょう!)
※赤字続きの物件と分かっているのであれば、事業者として真摯に向き合う事です。
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