とある不動産屋(静寂の12話)

Aは、『宝町』に根付いた『地上げ屋』だ。

Aはひょんなことから
シングルマザーの母親とその娘』の依頼を受けることにした。
Aは、まさか『イカツイおじさん』とその二人が知り合いであることは知る由もない。

Aは、早速二人が住んでいるアパートを見に行った。
たまたま二人のスーツ姿の男がいた。

(A)『すいません。このアパートって立て壊す計画なんですか?』

(スーツの男)
『ええ。我々が経営している大型スーパーの敷地の一部として必要なんです。
計画が順調に進んでいるか、依頼した業者さんと待ち合わせをしています。』

Aは、二人のスーツの男と業者が出会うのを隠れて待っていた。
数分もしないうちに『まるっきりヤクザ』の分かりやすい3人が車から降りて来た。

(ヤクザ)
『どうもすいませんね。このアパートの住人を追い出したら仕事は完了します。少し手間取ってますが、なーに、もう少しの辛抱です。』

二人のスーツの男は、ヤクザ3人に対してとても怖がっている。

(スーツの男)
『うちの会長が皆さんの社長と懇意にしていて、とても信頼していましたから特に心配をしているわけではないのですが、一応、どうなっているかな、と思いまして。』

(ヤクザ)
『ですから、全く問題ないので終わったら連絡しますわ』

(スーツの男)
『よ、よ、よろしくおねがいします。』

スーツの男二人は足早に立ち去った。

すると、ヤクザ3人が●●子の部屋を強くノックする。

(ヤクザ)
『おーーい、●●さん、早く出てってくれないかね、困るんだよね。
おーーい、聞いてんのか!』

完全に脅しの手法だ。
Aはすぐさま、ヤクザ3人に詰め寄る。

(A)
『かなり荒っぽい手法ですね、品のかけらもないね。』

ヤクザは、Aを囲み、睨みつける。
Aは話を続ける。

(A)
『そんな荒っぽいやり方じゃなくても、誠実に話しないと女性に嫌われるよ。
あっ、もう嫌われてるか(笑)』

ヤクザはAに殴りかかろうとする。
Aは、3人をものの数秒でやっつける。
ヤクザ3人は、文句を放ちながら立ち去る。
Aは、
かなり割に合わない仕事を引き受けてしまったな
と心でつぶやく。

後日、Aは昨日のヤクザがどこの組に所属しているかを調べ、組事務所に先手で乗り込む。

Aは、ヤクザの上の人間と話がしたいと交渉する。
ヤクザもスーパーを作る開発工事に利があるため、Aと話し合いをする。

ヤクザは、
『昨日の若い衆にやったことは見逃してもいい。
その代わりに、あんたが●●子を追い出せ。
それがこっちの条件だ。』

Aは、
『全くもって話しにならない。
暴対法が適法化されたこの世の中で、あんたたちは勘違いをしてはいけない。
昨日も、この三人が襲い掛かって来たからやったまで。
暴力団が暴力を振るってきて、対処することは正当防衛だよ。』

(ヤクザ)
『いい度胸しているね。こっちもプロなんでね。
いざとなれば何でもするよ。覚悟はできているのかい?』

Aには帰りたい家もなければ、引き下がる気持ちもない。

(A)
『交渉内容はとてもシンプルだ。
それなりの正当な立ち退き料を支払うのか、
スーパー開発はあきらめるのか。
これがこちらの条件だよ。』

Aは、●●子と娘が近くに引っ越すだけの充分な立ち退き料を手にさせ、
なついている猫は、新しい引っ越し先の大家にお願いし、飼わせるのが狙いだ。

ただ、このヤクザたちは違う。
Aもうすうす感づいてはいた。

このヤクザたちは、隣町からやって来たよそ者だ。
地元のヤクザのシマを荒らし、乗っ取るのが狙いだ。
いわゆる、『イケイケのヤクザ』である。

そんなイケイケ集団がAの交渉に耳を傾けようとはしない。
それでもAは、交渉を続ける。

これから、この組事務所内で壮絶な『暴力』対『暴力』が勃発する。

続く。

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