株価急騰のレオパレス21 未来予測

2021年より実施している物件オーナーへの一括借上家賃の減額が想像以上に順調に推移しており、
入居率も80%を超えてきたことで賃貸部門単体では黒字化が見えてきました。
株価も8月安値の1株160円から1.5倍以上の260円~270円。
私の勝手な見解では年内にはおそらく350円程となってもおかしくはないと思っています。
元々、違法建築問題の前の同社株価は1株700~900円でしたので、今の財務状況が改善に向かえば株価も徐々に戻るのは当然かもしれませんね。

株価市場は、『このままいけばレオパレスは黒字化し復活する』と予測しています。
私も同感です。同社は単身者シェアを国内で一番もっている大手不動産会社であり、
物件オーナーへの賃料減額やレオパレス社員の減給・減少によるコスト削減は経営上とても有効です。
まだアパートオーナーへの一括借上賃料の支出が多いと思うため、さらなる賃料減額を推し進め、
あとは界壁問題(違法建築問題)による誰にも貸出しをしていない部屋の家賃保証だけをしている約3万部屋(家賃保証額はおそらく月額10億円程の支出)を早期解決するのみではないでしょうか。

しかし、若い社員の減少については賛同できません。同社の社員平均年齢は10年前から上昇傾向にあります。
この伸び率からみると、若い社員は離職(退職)し、年配者の多くが会社にしがみついている高齢化状態です。
高齢化となった不動産会社の末路は明確で、短期的な黒字は果たせても、継続的な価値の創造は見込めないでしょう。

元々赤字経営となった要因の違法建築問題は社会問題としてマスコミに取り上げられ、
市場はこれを許しません。取引先の大手都市銀行は次々と同社との関係を断ち切りました。
こんな状態になった同社に助け舟を出そうという企業はそう多くはいません。
もしかしたら倒産する可能性もある会社ですので、安易に同社に出資をしたり、同社が保有している単身者シェアを獲得するための買収とは中々ならなかったと思います。

 そんな中でレオパレスの経営陣と話し合い、600億円規模のお金を拠出したのが、外資系ファンドのフォートレスです。(フォートレスはソフトバンクグループの一員です)

 もちろん、出資の条件は厳しく、年間に45億円程の利息支払いに太陽光発電部門を譲渡、レオパレス側としては実質の経営権を握られた状態となります。

 こんな状態で、同社の未来はどうなるのか。皆さんはどのような未来予想図を想像できますか?

これにはいくつかの選択肢にそって、未来がわかれてくると私は思っています。

選択肢一レオパレスは次に黒字化した後で売却される

外資系ファンドのフォートレスにとっては、出資した金額よりも高くで早期利益を生み出すことに対してメリットが発生します。

よって、黒字化し、違法建築問題がある程度収まった段階でレオパレスの売却価格を決め、レオパレスの単身者シェアに興味がある企業へ売却し売却益を得るという事です。

レオパレスの社員は売却先の企業で今まで通り仕事が出来る人もいれば、年配者で融通が利きにくいと判断されたベテラン社員は雑用業務をさせられ、中には肩たたき(早期退職)を促される人もいるでしょう。

選択肢二外資系ファンドが長期に渡り経営する。(レオパレスをフォートレスの子会社化する)

選択肢一では、フォートレスが短期で売却益を得る為の選択肢ですが、今度は会社を所有し続けて株の配当金を貰い続け、
会社の利益事態をフォートレスが吸収する形になる事です。そうなると、おそらく経営陣のほとんどは交代させられ、外資の人材が増え、ほぼ完全に外資系不動産会社となるでしょう。

この選択肢一と二については、レオパレスだからという訳ではなくどのファンドも検討する当たり前の事です。

皆さんも、60万円を投資するとしたら必ず利益を期待しますよね。
短期的に利益が出た時点で逃げ切るか、このまま投資金額を寝かしていても利益が増え続ける要素が多いと思えばそのままにして毎年利益を得続けたいと思うのではないでしょうか。しかも自分に投資先の経営権があれば自分が経営しやすいような経営の体制や社内構成を実行しませんか。

ファンドも一緒です。ただ金額が60万円か600億円かという違いだけです。

ここまでは多くの投資家が想像できる範囲での未来予測でしたが、
最後に、私がフォートレスであればどうするかという視点で書き出します。

 選択肢三フォートレスはレオパレスを最大限利用し、損失をレオパレスに背負わす。

この意味について、なるべく分かりやすくご説明をさせて頂きます。

フォートレスは日本国内にビレッジハウスという不動産大家業を営んでおります。
この会社は全国に約10万6000戸の部屋を所有している日本国内最大となる大家業の会社です。
経営主及び経営権は100%でフォートレスです。

この会社の問題点は、物件の築年数が圧倒的に古いという事です。

築40年以上の公団住宅ばかりを買取り、安価な賃料で低所得者向けに貸し出し、賃貸収入を得ています。

普通の不動産的考えであれば、この建物のほとんどがいずれ解体の時期を迎えます。
そうすると解体費用が莫大にかかります。
住んでいる入居者の一部を立退きする作業や立退料、建物を解体する費用など、とても時間とお金がかかる行為です。

レオパレスが黒字化し、ある程度の資金力を養わせたらこのビレッジハウス全てをレオパレスに買収させ、
近い未来に問題となるビレッジハウスの築古ビルの立退きや解体工事など大変な作業をレオパレスに背負わせるというのが私の独自見解です。
加えてお伝え致しますが、ビレッジハウスは2017年設立の大家業を営む会社であり、来年で5年程です。
不動産投資の考えは、長期保有・短期売買のどちらかに偏る傾向にあります。
ビレッジハウスの売却時期は、2017年から5年経過した2022年~2024年くらいだと私は読みます。

フォートレスはそこまで予測し、計画を立てて、レオパレスの懐に入りこんだと私は思っています。
外資系ファンドであれば、レオパレスが黒字化すれば株価は上がり、現在保有している株を高値で売却した利益を得られ、元々経営していた築古物件ばかりのビレッジハウスをレオパレスに買わせて売却益を得て、その得た利益で次なる投資先でさらなる利益を求めていく。私が外資系ファンドの一員ならこの手法で多額の利益を得るための戦略も選択肢に入れます。

ちなみに、ビレッジハウスの最低売却価格は1,060億円程はすると思います。
(築古物件10万6000戸×100万円=1,060億円)
そのころには補強工事や解体工事の決断を余儀なくされる状態となっている気がします。

その後のレオパレスはビレッジハウスの負の資産となる築古物件の対応であたふたします。
場合によっては、また社員の減給やリストラを行い、レオパレスのアパートオーナーは賃料減額という負の連鎖の可能性もあります。これが私の未来予測です。

なぜか、『ビレッジハウスにレオパレスが買収されるのではないか』という安易な予測を発言する人が多いです。
そんなことをして、フォートレスに何のメリットがあるのでしょうか?
買収するという事は、レオパレスにもっとお金を支払わないといけないのですよ。
そんなことしなくても、もっともっと稼げる方法が選択肢三となる訳です。

『え?そんな買収なんてさせたらレオパレスの財務状況がまた悪化して株価は下がるんじゃない?そうなってはフォートレスにとってもいい話ではないでしょ!』
とある金融機関の人間と世間話をしていた際に、このような意見もありました。

ここで、M&A(企業や会社の買収・合併)や不動産売買の大きなカラクリがあります。

通常のM&Aや不動産売買は、まず契約を締結します。
そして、数か月後に決済(買主はお金を支払い、売主は売却物を買主へ引き渡す事)をします。
その数カ月のタイムラグの間に株価が下がらないよう仕向ければいいんです。

『でも、レオパレスにビレッジハウスを買う資金なんてないでしょ!』
と思う人もいるかもしれませんが、レオパレスの賃貸収入商売では1,000億の利益を生み出すのに5年もかかりません。実際にリーマンショックから業績回復を遂げたレオパレスはわずか数年で1,000億円以上の利益を生み出しました。儲かったお金でいろんな会社を買ったり、事業投資をしたりしながらも数年で1,000億円を貯めれたんです。
それだけ国内一、単身世帯の全国シェアを握っていたのも事実です。
また、数年もすれば再び黒字化しているレオパレスに融資をしてくれる大手都市銀行も戻ってくるでしょう。
(たぶん、当面は復活しても短期融資(1年~5年程のローン期間)しか受けれないでしょうが。)

つまり、仮想ビレッジハウス売却のシナリオはこうです。

(仮想)ビレッジハウス売却のシナリオ予測
1,レオパレスとビレッジハウスが売買契約(売主はビレッジ、買主はレオパレス)
2,決済ではレオパレスはお金(1,060億円以上と予測)を支払う
3,決済ではビレッジハウスは会社の経営権も全てレオパレスに引き渡す
4,レオパレスの財務が1,060億円+将来のビレッジハウス10万戸の負担を強いられ、業績と株価は低迷する。そして将来は再び苦しい経営状況を強いられる。
5,フォートレスは、ビレッジハウス社の売却契約後レオパレスの株が下がる前に株を売却し利益を得たあとに、ビレッジハウス社の引渡し(決済)を済ませさらに売却益を得る。多額の利益を得たビレッジハウスは次なる投資活動に励む。
皆さんがファンド側でしたらどのようにして利益を生み出しますか?
ファンドが不動産を所有し続ける事や会社を持ち続ける事を選択するのはよっぽど稀な事のように思えます。
ファンドに企業再生を手伝ってもらう場合には、始めはお互いに利害が一致します。
会社の業績回復はどちらにとっても重要なテーマとなるからです。
問題は回復した後です。業績が戻ると株価は上がり、資金力も安定してきます。
しかし、ファンドは自分たちが一番利益を取得できる立場を確保するためにいくつかの準備と選択肢を持って利益獲得に乗り出します。
レオパレスの倒産リスクは日に日に減ってくるのは安易に予測できます。
しかし、そのことが同社の従業員やアパートオーナーにとって本当にいい事なのかはイコールではありません。
不動産投資ランキング

▲この記事がためになったら、応援クリックお願いします ☆クリックしてもらうととても嬉しいです!▼


にほんブログ村 企業ブログ 不動産業へにほんブログ村

最新情報をチェックしよう!