とある不動産や(Aの兄・続編)

Aの兄は、とても神経質で真面目な性格だ。

小学校や中学時代にいじめをしていた奴らを止めようとしたり、
それでもいじめが治らない人間には、精神的に追い詰めていた。

いじめっ子が朝学校につくと、『上履き』がない。
いじめっ子が教室に入り、自分の机の中の引出しをあけると、
いじめっ子のノートに、
卑怯者(ひきょうもの)』『人間のクズ
と、びっちり書かれていた。

このような『いじめっ子』に対しての出来事は、
全てAの兄が実施していた。

ある時、Aの兄の彼女が女友達をデートに連れて来た。
話を聞くと、
『この子、最近彼氏にフラれてから落ち込んでいるの』
と彼女は言う。
兄は、自分の彼女は優しくて、とても素敵な人だと感心する。

ところが、三人で食事をしていると、その女友達から意外な言葉を聞く。

(彼女の友達)
私はただ、男友達と一緒に映画を見に行っただけなのに、
前の彼氏は私を疑って、怒って別れを告げて来たの。
男のくせに、小さいなって思った。
本当、男のくせに小さなことで怒る人ってめんどくさい!

兄は、その場で彼女の友達を罵倒した。

(Aの兄)
その前彼は、あんたと別れて正解だ。
あんたみたいな自分の物差しで人を測れると思っている女性は、
何らかの形でトラブルを起こす可能性が高い。
要は、前彼は賢くて、あんたは、ただの勘違い女ってことだよ。

兄は、客観的に公平に考えることが好きだ。
そして、公平差がなく、アンフェア(不公平)だと感じた時に、
そのアンフェアを解消させようと動く。
兄は、極度の潔癖なのだ。

のちに、
兄はタケルを追い込み、タケルの家族を崩壊させた。
あとは、タケルの父親(竹下)の悪事を成敗するのみだと考えていた。


兄は、用意周到に準備した。
どうすれば竹下に制裁を下せるか。

兄は、竹下を調べ尽くした。
そして、竹下は自分の妻をないがしろにしているのを知った。

まず、兄の友達で『ホスト』をしている人間を使った。
その友達は、『マダムキラー』と呼ばれる、指折りのホストだ。

その友達にお金を渡し、偶然を装い、竹下の妻と接点を持たせた。

そして、竹下の妻の寂しい心に付け込ませ、
竹下の妻をホストに沈めた

そこからは、分かりやすい展開となる。
ホストに入れ込んだ竹下の妻はジャンジャンホストに金を貢ぐ。
お金がなくなっても、竹下の隠し口座からジャンジャンお金を引き出す。


竹下にバレないように、妻は、
最近、銀行も内部監査で自宅まで調査に来るところもあるらしいわよ。
税務署だっていつ動くか分からない。
信用できる税理士に、大金が入っているこの通帳は預けておきましょう。

と竹下を説得し、これが上手くいく。

竹下も、悪さをしたお金であるため、
家に置くよりも信頼できる税理士のほうが安全だと判断した。

ここで、妻は、『通帳とキャッシュカード』の両方を、
竹下と一緒に税理士に預けた。

後日、妻は大金が入っている銀行の窓口に出向き、
旦那のキャッシュカードを失くしてしまった。
旦那にバレると怒られる。新しいのを発行してほしい。

と銀行の窓口でお涙頂戴の演技をし、新しいキャッシュカードを手に入れる。

これで、次に竹下が通帳記帳をするまでの間、
お金はATMで引き出し放題だ。

もちろん、この悪知恵は妻の考えではなく、ホストのアドバイスだ。
そして、このホストにアドバイスをしたのは、Aの兄だ。

兄は、竹下の妻から5,000万円も仲間のホストに貢がせた。

兄はホストから1円も貰わない。
兄は、お金には興味が無い。
ただ、悪い奴を成敗する一心で行動する。

今回の兄にとっての『悪』は、タケルの父親である『竹下』だ。
そして、兄にとっては、竹下の妻も同罪である。
こんな悪さをする旦那を野放しにしてきた妻の罪も重いと判断した。

竹下家の『不幸中の幸い』は、タケルが一人っ子だった事だろう。

Aの兄は、ホストを利用し竹下の妻を上手く騙し、闇金にも手を出させる。

(仲間のホスト)
何かあっても、一緒に背負っていくから。
老後は、俺と一緒に過ごそう。

なんて甘い言葉で竹下の妻を落とす。

妻の借金は3,000万円まで膨れ上がった
さらに、薬を覚えさせ、奈落の底に妻を落とした時、
兄は、竹下にとどめを刺しに行く。

(Aの兄)
竹下さん、あなたの悪事が原因で、
タケルもあなたの奥さんも地獄行きとなりましたよ。
あなたにはどんな地獄が待ち受けているのでしょうね。

兄は、マスコミを利用し、妻のホストでの散財に、薬のこと、
闇金業者に手を出していて、膨大な借金をしていることを暴露させた。

さらに、竹下の勤めている銀行に
『息子タケルと妻の悪事』と題して、『暴露文と証拠写真』を提出した。

提出した先は、銀行の御上である『金融庁』だ。
これにより、
金融庁が竹下の勤める銀行へ『臨時特別監査』を開始する。
狙いは、『竹下の悪事』を徹底的に調べ尽くす事だ。

竹下は、銀行を辞めることとなり、精神的に追い込まれていた。

兄は、まだ手を緩めない。
実は、以前に兄はホストを使い、妻にある指示をしていた。

竹下の土地建物の権利証と実印、本人の免許証の写しを持って来い

闇金の借金が膨れ上がった妻の弱みを利用し、
竹下家の豪華な自宅に『抵当権(テイトウケン)』を設定した。
抵当権とは、その抵当権者(主にお金を貸した人や銀行)が、
いざというときに差し押さえする為の登記である

これで、竹下家は身動きが取れない状態となる。
預金は使い果たし、竹下の地位や権力を消滅させた。

(Aの兄)
これで公平だ。やっと復讐も果たせた。

Aの兄の彼女は、中学時代からずっと付き合っている彼女だ。
兄が復讐に没頭し、行動がどんどんエスカレートしていくのを心配していた。
彼女の心配は的中し、兄は『犯罪行為』の案内人のような人間となった。

彼女は、Aの兄とは別れて、兄から離れた。
兄は、
自分の家族を騙した人間を公平に裁いたのに、彼女は俺を捨てた。
そんな女はこっちから願い下げだ。

と、喜んで彼女を手放した。

数日すると、父親から電話が入る。

(父親)
Aが死んだ。ヤクザに殺された。

Aの兄は、やっと終わったと思った復讐劇を、
いつかAに話したいと思っていた。
Aの辛い思い出を少しでも軽くしたいと願っていたからだ。

兄は、父親の電話を終えると、その場で座り込み泣いた。

そして、ゆっくりと起き上がり、
弟を殺した奴を殺す。絶対に許さん。
と心に決め、歩き出していった。

この時、Aと熾烈(しれつ)な戦いをして死んだ『』は、
もうこの世にいない。

Aの兄の、次の怒りの矛先は、
『どこのアンフェア』に向かうのだろう。

終わり

👉『とある不動産や』(物語全話)

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