日本経済新聞社とテレビ大阪が大阪市内の有権者を対象に行った電話世論調査では、大阪市を廃止して4つの特別区を設置する『大阪都構想』の賛成が49%、反対は35%でした。
2015年大阪では、当時大阪市長であり維新代表であった『橋下徹氏』による住民投票で僅差にて否決されました。
しかし、今回の世論調査では賛成が上回る結果となりました。
一部の専門家の予測によれば、『新型コロナの影響により、若い人たちの政治への関心と参加率が高まっている』からだと言います。
ここで、大阪都構想の内容が分かりにくい人もいるかと思いますので、ご説明をさせて頂きます。
『大阪都構想』とは、大阪府(府庁)と大阪市(市役所)を1つにまとめて、『大阪都』(都庁)という1つの役場にするのが目的です。
1つにまとめることにより、公務員の人数を削減でき、かつ、無駄な作業や業務を削減できる点から『税金の無駄を削れる』という画期的な構想です。
例えば、現在の大阪では、『公共事業で◎◎道路を建設する』とすれば、大阪市役所と大阪府庁の両方に許可を取得する必要があったり、市役所と府庁を業務の権限がいったりきたりして、誰が本当の決定権者か分かりづらい状態もあります。
このような『無駄な2重行政』を廃止し、市議会議員や府議会議員と公務員の定数を削減し、行政の許可や実務のスピード化が期待できることがメリットです。
また、1つにまとまった『大阪都庁』が大阪府の最終管理監督者ではありますが、さらに大阪北区・中央区・東区・西区のように4つの区に分けることにより、それぞれの地域でそれぞれの決裁権の中で『区民の衛生と健康、安心』をテーマにそれぞれが街づくりをして行けるというメリットもあります。
例えば、A社という企業があり、本社(本店)が東京と大阪にあるとします。
支社(支店)は全国どこにでもあるとします。
支店の従業員からすれば、『この案件については、東京と大阪の本社のどちらに許可を取ればいいのだろう』と迷うケースも出てきます。
さらに、東京の本社の役職者が許可を出しても、大阪本社の同役職者が不許可とした場合、とても困りますよね!
なので、本社機能を1つにまとめる方が効率も良く、また、人員もその分削減できるという訳です。
さらに、北海道~宮城県の東北エリアを『東北支社』として、関東から名古屋を『中央支社』として、関西から広島・山口までを『関西支社』として、九州~沖縄を『九州支社』とする4つの大きな支社にも分けるとします。
この4つの支社には、『その支社エリアでの営業や運営の決定権』を授けます。
東京本社は『会社全体の広報・経理・経営戦略・人事に法的リスクを勘案したコンプライアンス』に特化すればよく、あくまで支社の運営・営業には口を挟まないようにすれば、おのずとその支社での『地域にあった顧客サービス』を展開できるという事です。
また、東京本社の役職者が会社全体での事業運営として全国の支店に指示を出しても、『的外れ』な経営になる可能性もあります。
例えば、本社の役員が『全国で太陽光パネルを販売して売上を上げよう!』と指示したとします。
太陽光パネルは『雪国』には不適合です。よって、全国統一の指示系統を行うのであれば、『自然エネルギーに特化した事業を展開し、会社の売上を上げてほしい。運営方法や販路の開拓はそれぞれ4つの支社にお任せします』とすれば、風が強い東北支社では『風力発電や火力発電』をテーマに事業を展開することができ、太陽光パネルを売る必要はなくなります。
というように、つまり、本社(本店)はある程度の道筋を決めたり、最終的な管理監督者ではある必要がありますが、『顧客のサービス』を細かく決める必要はないという事です。
それぞれのエリアの特性を生かした『発想とアイディア』に任せることが『イノベーション』の起こりやすい職場だと私は思います。
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