介護施設と言えば、「サービス型高齢者住宅」や「グループホーム」など様々な業態に分類されています。
今回は、この介護施設を不動産所有の目的から「不動産投資」という観点でお話していきます。
さて、介護施設を不動産投資の観点から見たリスクは何が想定されるでしょうか?
実際に介護施設の不動産投資をしているオーナー9名に確認させて頂いたところ、
【介護施設の投資リスク】
①介護事業者の倒産による賃料ゼロのリスク
②介護事業者の運営悪化による賃料の減額リスク
③建物内外の修理修繕費用負担のリスク
上記3点が大きなリスクということです。
他、一般的な不動産投資と同じリスクも存在します。
【一般的な不動産のリスク】
➤収益物件のリスク査定
➤不動産投資 7つのリスクをシミュレーション
介護施設の倒産リスクは割と高いです。
この10年間で倒産した介護施設運営会社は100社を超えます。
また、他業種(建設業や不動産業など)からの参入も多いため、介護という観点や経験値の浅い運営会社も多数存在します。
建物の構造にもよりますが、築10年くらいは大きな修理補修費用は発生しにくいという反面、当初の介護事業者が倒産し、別の介護事業者が名乗り出てくれたとしても、賃料は減額となるケースも多いです。
ただし、介護施設所有者(オーナー)と、介護運営会社との賃貸借契約はよくご確認ください。
どこからがオーナーの費用負担でどこからが介護運営会社の費用負担なのか、という内容をしっかり確認せずに投資した場合、当初の計画よりも出費が増え、事業計画自体が赤字となるケースもあります。
反対に成功している介護事業投資としては、「病院が運営している介護事業」です。
この病院運営はかなり上手くいっているケースが多いです。
病院が運営するメリットとしては、介護事業と医療とのコラボがあります。
介護事業では、月に1度は入所者の健康状態を診察しなくてはいけません。
お医者さんの診療報酬は入所者1人につき約5万円ほどです。
診療報酬だけで、介護事業にかかった建設費用などの支払いが可能となるケースも多いです。
また、入所者も介護保険が利用できる為、診療費用の負担も軽減されますので、お医者さんに毎月格安で診療を受けられる点から、入所者にもメリットがあるというわけです。
以上のことから、病院を運営しているわけではない方が不動産投資として介護事業を行うことは、そう甘くないということが言えます。
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