住んでいる借家の家主が亡くなりました。
家主には子どもがいるようですが、どこにいるのか知らず、今後の家賃を誰に支払ったらいいのか分かりません。
供託は出来るのでしょうか?
答えは、供託できます。
このような供託は、弁済供託と言います。
①家主が明け渡し等を要求して家賃を受け取らない場合
②家主の不在等の理由により家賃を支払うことができない場合
③借主(債務者)に過失がなく誰に支払うべきかわからなくなったような場合
に限り、供託することができます。
今回の場合、③のケースに該当します。
通常、家主(債務者)が死亡すると相続が発生するので、その後は相続によって家屋の所有権を取得した相続人に家賃を支払うべきですが、借主が家主の相続関係を調査することは困難ですから、借主は家主の相続人等を調査する必要はないとされています。
ただ家賃を支払わないでいると、債務を履行しない状態が続くことになり、後々、相続人から債務不履行を理由に契約を解除されかねません。
しかし、借主は供託をすることで、家主に家賃を支払ったのと同様の効果を得て、債務不履行を避けることができます。
なお、供託は、債務の履行地(家賃の支払い場所、特に定めがなければ家主の最後の住所地)の最寄りの供託所(法務局)にする必要があります。
申請の方法は、窓口申請、郵送申請のほか、オンラインによる方法もあります。
契約内容によりますが、通常、家賃は毎月継続的に支払いますので、毎月法務局に出向くよりオンラインによる申請が便利です。
オンライン申請についてはインターネットで「供託ねっと」と検索してご覧ください。
以上、ある地方新聞の記事を参考にさせて頂きました。