不動産会社が表に出さない負の事実

全国に約60万人の人間が不動産に関りを持った仕事をしていると統計で公表されておりました。
全国にある不動産会社(法人数)は約37万社ですので、一人で営んでいる不動産会社も多いのが現状でしょう。それだけ不動産業界には参入がしやすいという事ですね。
毎年5,000社の不動産会社が廃業・倒産の届出をしているという統計(廃業・倒産率の合計数値は約1.5%程)も出ているため、参入はしやすく事業として継続もしやすいというのが現状でしょう。
たしかに、大儲けせずとも多少の取引で利益を上げれば主婦がパートをするよりは効率の良い産業だと思います。しかし、市場が熟成している分、ライバル会社も多いのが不動産業界です。

不動産全体の所有資産価格は国土交通省の統計では、約2,600兆円規模といわれております。
皆さんが所有している家やマンション、収益物件など全ての資産価値の合計です。
先日、ツイッターを買収する事で話題となったテスラやスペースXの創業者であるイーロンマスク氏の全財産が約27兆円と報道されましたが、日本国内の不動産価値の1割程の資産を個人で所有しているイーロンマスク氏はとんでもない資産家であることが良く理解できますよね。

ここで、本日の記事の主体としましては『不動産会社の負の事実』をご紹介させて頂きます。

皆さんは、不動産会社と言えばある程度お金に余裕のある産業であるというイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。実はそんなことはなく、自己破産をする人も多い業界です。
そもそも、その人自身の性格によるものが主な要因だと思いますが、ギャンブル癖が強い人や高級なクラブで儲かったらお金をたくさん使うような人も多いです。
一昔前までは、『闇金業者』や『ユーチューバーの成功者』などが高級クラブの顧客として多かったとよく耳にしましたが、夜のお商売の人なら『今はどの産業の人が儲かっているか』を肌で感じているでしょう。

不動産会社や不動産業者の破産・倒産リスクの要因として別の問題もございます。
それは、『仕込みを失敗している』という事です。
飲食では、新鮮な食材を仕入れて顧客にサービスとして料理をし提供しますが、不動産会社では、土地や建物を不動産会社が仕入れて(購入して)売り物として綺麗にしたのちに顧客へ売却をします。
つまり、仕入れ価格が間違うと顧客に売りたい値段で売れなくなります。

一つ例を上げてご紹介させて頂きます。

ある地域ではサラリーマン世帯に人気のエリアとして約4,000万円程であれば3LDK(駐車場2台)の住宅がとても売れているとします。
よって、不動産会社は4,000万円程で売れる売価(顧客に購入してもらう価格)から逆算をして土地を仕入れたり、建物を建築して売却します。
土地は40坪で1,500万円程の仕入れ価格、建物は1,700万円程で3LDKの戸建を建築した場合には、全体のコストは3,200万円です。これを1日でも早く顧客に売却します。
早く売却しなければ、人件費も土地や建物の維持費もかさむ為利益がどんどん減ります。
しかも建築から1年以内に売却するという約束の元、銀行から3,200万円を借りて土地建物を仕入れている業者がほとんどです。借りているという事は利息が生じます。利息を少しでも少なくするためには早く売却して利益を確保する事が大切です。

ですが、土地建物を仕入れたあとに不景気になり、サラリーマン世帯の購入意欲が減り、価格が下がるケースもあります。買う人が減り、売る人が多ければ価格が下がるというのは当然の結果です。

こんな経験をしたことのある不動産業者は、『もう2度と銀行からお金を借りて仕込みが必要な商売はしない』と口にします。
本来の不動産業者は、手数料商売が主流です。大家さんが持っている空家を貸したり、空き地を売却する仲介を行い売却成功に伴って手数料を頂くという固い形で成り立つ商売です。
ですが、お金に対する欲が増え、もっと簡単に大きく利益を出したいと欲にかられリスクのある商売に手を出す人も多いです。
上手くいけばいいいのですが、やはり失敗する人も多いのが現状です。
失敗の要因は『借金して仕入れをしている』という事と、『社会情勢に疎い』という事だと私は思います。何もチャレンジしている人を否定はしません。チャレンジする前のリスクシミュレーションをきちんと準備してチャレンジをして頂きたいというメッセージになります。
これから不動産業で儲けを出したいと思っている人は世の中にたくさんいると思いますが、自分たち以外にも同じような人が大勢いる事を忘れてはいけませんよね。

本日はもう一つのリスクをご紹介させて頂きます。
それは、『家賃滞納者が増加傾向』だという事です。

悪い時期には、全国の家賃滞納率は7%程~9%程という時期もありました。
なんと、現在もその悪い時期と同様の数値になっている状況らしいです。
新型コロナによる影響や戦争による物価上昇も要因ですが、入居者の人にも元々自分の経済力にあっていない賃貸暮らしをしているという人も多いです。

今は所得が多くても、自分の所得を生み出す価値や能力は継続しやすいのか、終わりを迎えやすいのか、また終わりを迎えやすいのであればどんな対策や準備をしてきているのか。
自分の事なのに他人事のように考えている人も『滞納者』に共通して多いのが傾向です。

もちろん、中には『想像よりも早くリストラにあい、本当に申し訳ございません。今バイトを始めましたのでもう少しだけ待って頂けませんか』という誠実に滞納前にご連絡をくださる人もおります。
滞納される側(大家や不動産会社)は、悪い報告を後からされるのが大っ嫌いです。
もし、この記事を見ている人で自分もその可能性があるのであれば、正直に前もってご相談してみてください。(もしかしたら親身に助けになってくれる人もいるかもしれませんよ)

不動産会社は、自社の入居率は96%です!などと良い実績しかホームページにはのせませんよね。
これからかは、『去年の滞納者数は●名、●%でした。解決策と致しまして弊社としてはこのような対応をしております。』と正直に書いてある不動産会社のホームページであれば、おそらく信頼度が上がると思います。しかも今なら他の企業や会社も全く正直に顧客目線で自社の事を記載していないため差別化にもあります。
これからは、『悪い事をきちんと広告し、その対策内容も記載する』という事で顧客の無駄な疑いを減らす事も可能だと思います。誠実な人が強い時代の到来ですね。

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