前回の『大東建託の実態』という記事に対しまして、大きな反響を頂きましたので第二弾を書かせて頂きました。
前回の記事では、
『なぜ大東建託が黒字経営を続けられるのか』
という『なぜ』の部分について解説致しました。
今回は、もう少し掘り下げて記事を書かせて頂きます。
さらに、今後の大東建託が赤字に転落する可能性をご指摘させて頂きます。
『大東建託の弱点』
弱点①離職率が高かった
現在ではホワイトカラーを推し進めているため、離職率は低くなってきましたが、昔は離職率10%超えが当たり前でした。
社員が1万人近くいる同社の社員が、毎年1,000人辞めては新しくアパート営業の社員を募集し、採用して、また辞めていくという流れの企業でした。
なぜ、これが弱点かと言うと、
大東建託でアパートを建設した地主オーナーからすると、
『私がアパート契約をした新人さんが、もう同社を辞めた。』
『あの信頼できる社員が同社を辞めた』
という声を多く聞きます。
つまり、これはどういうことかというと、
わざわざ利益率の高い同社のアパートを建設する味方(地主)や紹介者(地主)がいなくなってくる、という事態になり得ます。
弱点②『一括借上げ』について世間の認識が変わったこと
昔は、『一括借上げ』や『家賃保証』という言葉に飛びつく地主や、
不動産投資家は多かったです。
ましてや、同社のような大きな企業であれば、
『フルパッケージプランの同社に全てお任せください!』
と言えば、普通の不動産投資よりも説明が楽で契約を進めやすかったことでしょう。
※(補足説明)
フルパッケージプランとは、家賃の保証・入居者の対応・建物内外とお部屋のメンテナンス・各種アパート事業に関わる雑務・業務の全てを企業や会社が引き受けてくれること。
しかし、昨今では、同社を初め、多くのハウスメーカーによる
『一括借上げの賃料減額と解約』
が推し進められているため、一括借上げの認識が変わってきました。
一括借上げの建物賃料が減額されることが悪い事ではありません。
解約も然りです。
なぜなら、
『近隣同種の賃料に勘案して、賃料の適正化は合法』であり、
『経済事情の変動による賃料の増額・減額の主張は会社側とアパートオーナー側の双方が可能である』というルールがあります。
つまり、借地借家法をよく理解していない『地主や不動産投資家』が多かったという事です。
今は、この借地借家法についての認識が不動産業界に広がり、
『サブリース(一括借上げ契約)の説明義務』
が、不動産業界に課されたため、
『一括借上げに騙された』という地主や不動産投資家は減りました。
そもそも、そのアパートマンションが単体で黒字でなければ、
賃料がそのままで支払われる訳がありません。
ましてや黒字経営を続けている同社の経営スタイルは、
『地主(アパートオーナー)に支払う一括賃料は経費』
つまり、アパート事業の原価になりますので、
売上利益が順調にいかないアパートには、容赦ない減額や解約を実施します。
アパートマンションを建設する人は、
『一般的に入居者に好まれる事業かどうか』
を、同社のようなフルパッケージプランという仕組みがなくても、
実施可能かどうか検証しなくてはいけません。
そして、細かく検証した結果、
同社の一括借上げよりも地元の賃貸管理に強い管理会社と組んで
不動産事業を行った方が、『事業利回りも高く』『入居者に好まれる建物・部屋になる』という事態が多く発生するでしょう。
もしくは、
『そんな田舎でアパートを建設しても、次の代(子や孫)が借金を背負って苦労する』という事も想定され、建設を断念するという事も想定されます。
よって、同社のアパート建設受注は年々減るでしょう。
弱点③愛社精神が弱い企業である
先程の離職率の高さにも関わりますが、同社を好きで好きで仕方がない人は、
そんなにいない印象です。
特にアパート受注に特化している営業マンには、
『こんな売り込み会社はごめんだ』
『働いている上司が休みの日も電話してきたり、無理に働かせようと圧力をかけてくるから大嫌いだ。』
『お金の為だけに働いているから、営業歩合をもらったらすぐに辞めよう』
『アパート受注は今後ますますの下落により、歩合もどんどん減るから今のうちに辞めよう』
という意見をよく聞きます。
やはり愛社精神の薄い企業は、何かしらの問題を起こしたり、
いずれは世間に必要とされなくなる可能性が高いです。
いかがでしたでしょうか?
黒字経営を綺麗に行っている企業はたくさんありますが、
同社はコンプライアンスと社員・顧客に対する愛情が少ない為、
強引に黒字化を達成し続けているとう印象です。
補足ですが、
家族向けの間取り(2LDK以上)のアパートなのに、
なぜか『冷蔵庫や洗濯機』を窓からつって入れている入居者を多く見ます。
つって家具家電をいれる作業には1.5万~2万円程費用が入居者にかかります。
家族向けなのに、2階に上がる階段が狭いアパートって。
とても疑問です。