2020年2月29日付日経新聞より。
築30年超などのマンションの老朽化対策が一歩進みます。
政府が28日に閣議決定したマンション管理適正化法などの改正案は、
適切な管理をしている物件を認定する制度の創設や、敷地の売却をし易くします。
住民などの区分所有者で組織する管理組合に、修繕積立金の備えや円滑な建て替えを促す狙いがあります。
国土交通省によると、マンションは2018年末時点で全国に約655万戸あり、
国民の8人に1人にあたる約1500万人が住むとされています。
そのうち築40年を超える物件は12%程度の約81万戸ですが、
20年後には約367万戸へと4.5倍に膨らむ見通しです。
一方で滞納や空き部屋による修繕積立金の不足は深刻で、
計画に比べて不足するマンションは35%に達します。
管理組合の機能不全も課題です。
501万戸以上の大規模マンションでは総会の実際の出席割合が14%にとどまる他、高齢化による役員の成り手不足も深刻です。
マンションを人生の終末期まで過ごす住まいと考える人は増えており、
国交省は再生に向けた対策を拡充します。
柱の一つが「管理計画認定制度」の創設です。
適切な修繕計画の策定や積み立ての状況、管理組合の活動などを評価します。
認定基準は国交省が作成し、認定は自治体が実施します。
認定制度も含めて自治体はマンション管理への関与を強めることになります。
必要に応じて管理組合に対して指導や助言を実施し、総会を開けていなかったり、積立金が著しく少なかったりする場合は改善を勧告します。
この制度は、資産価値や居住環境を維持していく上で大きな一歩となりそうです。
認定制度の創設と適正な管理の基準が示されることで、マンション管理の質の底上げにつながることが期待されますね。
ただ、適正管理への社会の問題意識は依然として低く、
今回の法改正は課題解決に向けた一歩でしかありません。
この制度を機に、マンションの適正管理への社会の意識が高まっていくといいですね。
関連記事⇒賃貸管理会社を選ぶ基準、賃貸経営どっちが得?(サブリース契約と一般管理契約)、賃貸物件 新たな付加価値