通常、
金融機関からお金を借りる審査基準には、
《収益還元法》や《積算価格》というものがあり、
これら審査基準をもとに融資金額を算出しています。
《収益還元法》は字のごとく、
その収益物件がどれくらい稼げる力を持っているかを図る計算です。
《積算価格》は、
その物件の担保価値を図る計算です。
今回は、これら金融機関の考え方をもとに、
購入する側にとって、実務的な指標をご紹介します。
例えば、
●築年数が15年のRC(SRC)造
●土地(敷地面積)60坪(約200㎡)
●土地の坪単価相場は50万円
●路線価格は15万/㎡
●建物の延床面積は400㎡
の物件を購入する場合について考えていきます。
まず、融資の返済年数上限の算出方法は、
40年-(築年数+1年)+4年
の公式に当てはめて、
《28年》と出ます。
よってこの物件の例でいえば、《28年》が返済年数の上限となります。
【補足】
◎木造・軽鉄であれば、20年-(築年数+1年)+4年
◎重量鉄骨であれば、25年-(築年数+1年)+4年
※あくまで指標ですので、実際には各金融機関へご相談ください。
購入したい土地の担保力をざっと算出したい時は、
坪単価(50万円)×敷地面積(60坪)×60%~90%
の公式に当てはめます。
今回の例でいえば、
50万円×60坪×60%~90%=1800万円~2700万円
これが土地担保力の指標と見ます。
ちなみに、積算価格の算出方法の一つとして、
路線価格×敷地面積(㎡)=土地の担保
の公式に当てはめることもできます。
今回の例でいえば、
15万×200㎡=3,000万円
この計算でも担保価値がだいたい計算できます。
(注意点)
土地の状況や利便性により担保金額が下がったり、少し上がったりします。
例1)土地が角地である(評価は上がります)
例2)土地の形が鍵型で使い勝手が悪い(評価は下がります)
建物につきましては、
積算価格の計算方法を取り入れたほうがオススメです!
《建物積算価格の計算式》
建物積算価格=再調達価格×延床面積×(残耐用年数÷耐用年数)
《再調達価格の単価》
※建物を再度新築した場合の価格
●RC(SRC)造 ・・・・・・・20万円/㎡
●重量鉄骨 ・・・・・・・・18万円/㎡
●木造・軽鉄 ・・・・・・・・15万円/㎡
今回の例で
再調達価格×延床面積は、
20万円×400㎡=8,000万円
となります。
次に、《残耐用年数÷耐用年数》についてですが、
これは、建物の残価率を計算するためのものです。
いわゆる、法定的に建物がどのくらい安全に持つかの指標です。
建物の構造によって、下記のように法定耐用年数が決められています。
●RC(SRC)造 ・・・・・・・47年
●重量鉄骨 ・・・・・・・・34年
●木造 ・・・・・・・・22年
●軽量鉄骨 ・・・・・・・・19年
今回の例で
建物残価率は、
(47年-15年)÷47年 =0.68 となります(※68%という事です)
(補足)耐用年数を超えた物件は、無価値とみなされるケースが多いです。
【まとめ】
今回の物件例は、
①建物の担保力は積算価格で、8,000万×68%=5,440万
②土地の担保力は、1,800万~3,000万円
①+②=7,240万~8,440万
8,440万未満の購入価格であれば、満額融資がつきやすいという指標です。
さらに、融資返済年数は28年という指標の為、
金利電卓で毎月の返済を計算し、
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