争い相続対策の極意(不動産編)

親がいて、子供が5人、孫が12人、

このようなご家族の相続についてご相談を受けたことがあります。

私が相談を受けたのは、実家で両親と一緒に住んでいる長男ご夫婦です。

長男の悩みは以下の通りです。

長男の悩み~

1,他の子供(長男以外の4人の兄弟)が、不動産を狙っている。
2,特に妹の旦那が銀行員で知恵もアリ、欲も強いため、親が死んだら財産を狙ってきそう。
3,親が遺言書を書いてくれない。
4,兄弟(妹含む)は5人いるのに、不動産は2か所(2棟のアパート)、他は実家と現金3,000万程
5,2棟のアパートの連帯保証人は長男であるが、このアパートは他の兄弟にあげたくない。
6,実家もあげたくない。
7,現金は他の兄弟で相続しても構わない。
8,親が介護になったらお金がかかる為、お金を生む不動産は長男が通帳も管理したい。

不動産を持たない親の子供に生まれた人がほとんどだと思います。

そんな人から言わせると、
『なんて贅沢で、欲のある相談内容だろう』
と思うかもしれませんね。

そうです。
不動産は欲産業の一種であると私も思っております。

ここで、このような相談を受けた場合にはいくつか定義があります。

まず一つ目は、

『税理士・会計士を交えて考えて行きましょう』

これは、とてもオーソドッグスなのですが、
不動産などの財産はお金や税金の計算が必須です。
よって、理にかなっている回答だと思います。

私の場合も、税理士・会計士を入れる事をおすすめします。
が、上記相談の解決策としては税理士・会計士でも『不動産に強い』人でなければ意味がありません。

単に、『相続税はこれくらいで、あとは親が遺言書をきちんと残すことが一番です』
と当たり前の事を言われることが多いです。

ここで一つ、
実務的な対策をお伝え致します。

長男は不動産(お金を生むアパート)を他の兄弟に渡したくないのですから、
『お金を生む建物(アパート)を長男名義に変える』事が対策として有効です。

もちろん、親の許可を受けて、建物(アパート)を贈与してもらうのです。

すると、家賃が入ってくるのは建物(アパート)ですから、
家賃収入は長男が生きているうちはずっと長男のものです。

土地が親でも、親には地代を支払えばよいです。(月〇万円とか契約書を作成しても良いでしょう)

いくら相続が発生しても、

『お兄ちゃん(長男)の建物の下にある土地はいらない』
という心情が生まれます。(100%ではないですが。)

実家もそうです。
建物を長男名義に変えて置けば、実質支配のように相続交渉に有利な立場で進められます。

もちろん、それでも土地の相続を他の兄弟が主張した場合には、
相続した兄弟に地代を支払う事になりますが、土地建物全てを取られるストレスは減ります。

『でも、贈与税って高いんじゃないの?』
という質問をよく受けますが、
今は、『相続時精算課税制度』という便利な贈与の制度もあります。

単純な説明ですと、
『2,500万円の評価以下は無税で贈与できる』という制度です。

2,500万円以下の評価というのは、
例えば、現金であれば24,999,999円で、
建物であれば、固定資産税評価額が2,500万円以下かどうかという事です。
仮に2,500万円以上でも、少しなら贈与税を払ってでも名義変更した人には検討の余地があります。

詳しくは、司法書士か税理士・会計士にご相談ください。
※リスクもあります。

リスクは、
『相続時に課税される制度である』という事です。

つまり、贈与の時にうけた評価額が相続時に課税対象となる(相続税の課税対象)
という事です。

もう一つ、
何度も出来ない制度です。

詳細は、このサイトがオススメです。⇒『相続時精算課税制度とは』

出来れば、家族仲良く事前に話し合うことのほうが1番良い方法かもしれせんね。

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