よくお客様や、地場の不動産業者さんとお話をする際に、
『レオパレス21と大東建託は何が違うのだろう』
という声を聞きます。
私の見解として、各種ハウスメーカーの大きな違いと、
それぞれの会社の強み、弱みを公開したいと思います。
まず、レオパレス21と大東建託の事業運営スタイルの違いは、
『入居者のターゲットが違う』
という事です。
大東建託、東建コーポレーション、積和不動産、ダイワリビングという
大手ハウスメーカー(一部、ハウスメーカーの子会社)の共通ターゲットは、
『ファミリー、セミファミリー』
がターゲットという事です。
ファミリーはそのままの意味で、
夫婦に子供がいる家族や3世代家族くらいを指します。
セミファミリーは、
夫婦だけ、カップルだけといった子供のいない複数人(2人~3人以下)の家族構成を指します。
つまり、家族向けのアパートマンションを賃貸管理として運営しているという点が、『大東建託、東建コーポレーション、積和不動産、ダイワリビング』の共通点です。
この10年では、
『大型1Kや1LDK』
を大東建託、東建コーポレーションがアパート建築をしており、
ややセミファミリー、少しお金に余裕がある個人への賃貸運営も順調です。
積水ハウスやダイワハウスが建設し、
子会社が賃貸管理の運営をしているスタイルの物件は、
ほとんどがファミリータイプです。
積水ハウスは、戸建てシェアが全国1位という事もあり、
家族向けの建設(重量鉄骨造が主です)には元々強いです。
大和ハウスは、
積水ハウスよりは、建設力には弱さを感じます(軽量鉄骨造が主です)、
しかし、中の設備は充実しており、
『ⅾルーム』という、分譲マンション使用のお風呂やキッチンは入居者に魅力的だと思います。
私も、積水ハウスと大和ハウスのアパートや戸建を何度か内覧しに行ったことがありますが、2社ともに住むには申し分ない家や部屋だと感じています。
レオパレス21は、その点独特です。
『単身世帯(一人暮らし)』に完全に特化しています。
家族向けやセミファミリーは一切していない様子です。
レオパレス21は、その点で各種ハウスメーカーとは
『入居者ターゲット』が違う為、稼ぎやすいのでしょう。
では、なぜレオパレス21は単身者にターゲットを絞り、
大手企業として成長できたのでしょう。
理由はシンプルです!
欧米文化では主流である『家具家電付文化』の部屋を日本で初めて行ったという点と、単身者のみに的を絞り、全国に単身者アパートマンションを建設し、
単身者シェアを独占できた、という事です。
おそらく、単身者の賃貸は、
『入退去が頻繁にあり、各地域に単身者用のアパートマンションはたくさんあるから事業として成功しにくい』
という不動産・建設業界のイメージが強かったのだろうと私は思います。
しかし、レオパレス21の創業者は運がいいのか、頭がいいのか、
いずれにせよ、全国に単身者物件を拡げ、
『家具家電付の部屋を全国どこでも住み替え可能』
という、ビジネスホテルとアパートマンション業の両方の強みを生かせた事が、成功へと導いたのだと思います。
では、私が思う各社の弱みを公開させて頂きます。
まず、東建コーポレーションは、
『アパートマンションの絶対数が少なく、中心地に物件がほとんどない』
という弱みです。
つまり、今回紹介させて頂いたハウスメーカーの中でも
不動産事業としては1番最弱の基盤とも言えます。
子会社のホームメイトにより、賃貸管理の不動産運営を展開しておりますが、
そもそもの管理物件が各地域の中心地にありませんので、
おそらく、今後は益々の業績衰退を辿ると思います。
地場の賃貸管理に強い不動産業者をM&A(買収・合併)していけば、
上記問題点をクリアしていける為、飛び込み営業からのアパートの建設営業が衰退しても将来性は上がるでしょう。
次に、積水ハウスですが、
これはダイワハウスと併せた内容となりますので、
2社合わせて弱みを公開します。
ずばり、建設費が高い(利益額が高い)事です。
地場の工務店や他の中堅ハウスメーカーと内装・外装があまり差がなくなってきた昨今、ただただ高い同社で建設依頼する顧客は減少を辿るでしょう。
しかし、同社のこの弱みは、企業としての財務力でカバーできるでしょう。
これからは、海外(特に東南アジア~インド、アフリカ大陸)での建設受注を主として、未来の日本を代表するハウスメーカーとして活躍すると私は思います。
日本では、正直限界だと思います。
社員数も2万人超え、日本での売上利益は伸び悩んでおり、
少子高齢化やエコシステムによる家の建設・リフォーム・リノベーションを展開していますが、顧客の絶対数が少ない為、これも近い将来衰退すると見ています。
しかし、海外では『メイド イン ジャパン』を上手くブランド化し、
アジア~アフリカ大陸に商圏を広げ、
『日本のハウスメーカーで建設する事がステータス』
となる地域を出てくると思います。
大東建託とレオパレス21も賃貸管理としては衰退するでしょう。
そもそも、賃貸暮らしのライバルは各ハウスメーカーだけではありません。
3LDKや2LDKに家賃を支払って住むよりも、
『中古の分譲マンションを購入したほうが、賃貸での家賃を支払うよりも安いんじゃないか?』
と疑問に思う人が多いからです。
大東建託は、とてもドライな企業スタイルですので、
管理戸数100万世帯の管理物件による数の原理を使い、
原価である、アパートの一括借上家賃を徐々に減額し、
赤字物件には解約という手段も使い、会社の業績としては黒字化を継続するでしょう。
おそらくアパート営業など、今からの時代に合わない部署や社員にはリストラや、子会社化し、常に切り離しが出来る状態とするでしょう。
レオパレスのような単身者向けも同じです。
1K、1DK,1LDKも中古でこれから更にたくさんの売買物件が市場に出てきます。
毎月7万円の家賃を支払っている1DK,1LDKがあるとします。
中古の単身者区分所有マンション(1室の1DKや1LDKなど)では、
価格が1,000万以下で20年の住宅ローンを組んで購入出来たら、
だいたい毎月の支払いは5.2万円くらいです。
不動産を所有すると、毎年固定資産税が課税されますが、
それでも賃貸で支払っている毎月の家賃とあまり変わらないでしょう。
※注意※購入する価格と立地や諸条件を間違うと大損します。
それであれば、
適正な価格で中古マンションを購入し、
20年間のうち、10年は自分で住み、残りは賃貸で貸す。
という事を行い、ローンを完済したら売却すれば、尚良いですよね!
売却の際の価格は、経済事情やその地域のニーズにもよりますが、
今までの例で言いますと、
1,000万円の中古区分所有マンション1室を購入し、
20年後の売却価格は、だいたい半値の500万くらいです。
つまり、
普通に家賃を支払う賃貸暮らしよりも得をする可能性があるという事です。
ここで、余談ですが、不動産購入(投資)に興味がある人は、
損をしない購入方法と、計算の仕方など、
下記『学習:損をしない不動産投資』の記事とその記事の中にある各種計算式などを全てご参照ください。
購入しなければ、中々分らない事が多いとは思いますが、
いざ購入する際に、下記学習記事は必ず役立ちます。
さて、話を戻させて頂きます。
これからの不動産賃貸管理業で、
『新たなライバル』が海外よりやってきましたね!
『エアビーアンドビー』という、民泊コンテンツです!
※『エアビーアンドビー』とは、
Airbnb(エアビーアンドビー)は、宿泊施設・民宿を貸し出す人向けのウェブサイト。世界192カ国の33,000の都市で80万以上の宿を提供している。2008年8月に設立された、 サンフランシスコに本社を置く、非公開会社Airbnb, Inc.により所有、運営されている。
最近、私の知り合いが
『広島で3カ月研修があるからレオパレスを借りようと思っている』
とか、
『奈良県に3年程転勤するから家族で大東建託かダイワハウスのアパートに住もうと検討している』
という事を聞きました。
それから数週間たち、各々の知人に別件で連絡をすると、
どちらの回答も同じでビックリ!
『エアビーで見つけた民泊に住むことにした!』
という回答でした、
レオパレスでお部屋を借りなかった知人は、
『レオパレスだと3カ月で30万くらいかかるが、民泊物件で見つけた部屋は、
レオパレスよりも広くて、家具家電もついていて21万円くらいで済んだ』
というのです。
3年間、奈良県に転勤すると言っていた知人は、
『大東建託やダイワハウスでは毎月9万円くらいかかるが、
エアビーで探したら戸建賃貸の物件で広くて、しかも月7万円の家賃なのに家具家電付だったから、すぐに契約をした』
というのです。
おそらく、
昨今のコロナ不景気の影響による海外からの旅行客が減り、
民泊用で用意していた物件が、国内にターゲットを移し、
『アパートマンションの賃貸業』の顧客シェアを奪いにきたのでしょう。
答えは、知人が出しました!
地域によっては、アパートマンションだけではなく、
『民泊用の物件もライバルとなる時代に突入した』
という事です。
これから大手不動産会社や各種ハウスメーカーも、
この民泊にに参入し、また、民泊業者よりも魅力ある貸出家賃の設定やサービスに変更する地域も出てくるでしょう。
さあ、これからもたくさん勉強に経験を重ね、
不動産投資を楽しんでいきましょう!
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