社員と物件オーナーと業者の質向上手法

本日は『不動産会社に勤める現場社員と物件所有者(物件オーナー)と委託業者の質を向上させる手法』を記事にご紹介させて頂きます。

社員のレベルもバラバラですし、物件オーナーの性格やクセ・経験値もバラバラですよね。
またメンテナンス(修理・修繕)を委託する業者の質もそれぞれですので全てをトップレベルまで向上させるには中々方法が分からないというのが現代の不動産会社におけるアナログ脱却が出来ていない要因の一つです。

今回は実施体験中の手法を本記事でご紹介させて頂きます。

この三者(社員・物件オーナー・委託業者)の質を向上させるにはお互いの仕事を簡単に確認できる仕組みが必要です。
難しいソフトを取り入れる事も必要なく、現代のLINEと知恵を使えば何ら問題なく実行に移せます。

まず、不動産会社と物件オーナーで『物件ごとにLINEグループを作成』します。
LINEのグループ名は『物件名』を採用したほうが誰でも分かりやすく閲覧できます。
次に、そのグループに『清掃業者とメンテナンス業者の責任者』を追加で招待します。

さてここからが本題です。
不動産会社の賃貸・管理社員と物件オーナーと委託業者の責任者が加わったこのLINEグループでどんなやり取りを行うのか明確に決める必要があります。

💮LINEグループの活用(物件ごとに作成し物件オーナーと委託業者の責任者も参加させる)

【委託業者の作業】
1,物件清掃完了写真のみアルバムにて写真報告をする。
2,退去後のルーム清掃完了写真のみアルバムにて写真報告をする。
3,物件のメンテナンス完了写真のみアルバムにて写真報告をする。
4,物件に必要だと思うメンテナンスや補修箇所を自由にLINEにて提案する。
5,安全・衛生面を観点に業者が気づいた物件の問題個所をLINEにて自由に提案する。

【不動産会社社員の作業】
1,委託業者からのLINE報告を確認する。
2,委託業者からの自由な提案を物件オーナーと個別で検討する。
3,清掃依頼やメンテナンス依頼をLINEで発注する。
4,物件オーナーが見れる状況だからと気にせずに問題や課題をLINEで社員間と委託業者と共有する。

【物件オーナーの作業】
1,不動産会社と委託業者との日々のやり取りを自由に閲覧する。
2,疑問点や気になる事などがあっても『事業としての安全面に緊急性』を要すること以外は安易に口を挟まないようにする。

このような定義を決めてLINEグループを作成しますと、全体的な質は向上します。
物件オーナーの作業における定義は私のような伝え方ではお怒りになる人もいますので言葉は慎重に使われてください。ただ、どんな言葉に変換してもこの定義がグループLINEを作成する意義だと私は自信を持って皆様にご提示しております。
委託業者は『たくさんの写真を撮る必要はない』という事を御注意ください。
写真にはポイントを整理した撮影が好ましいです。
~委託業者の写真報告における要点~

1,写真は極力少なめにポイント撮影と報告
 ●物件清掃では、エントランス・ポスト・ゴミ置き場・エレベーター・共用階段・廊下・手摺・共用灯・敷地周りの清掃状況を1枚づつ清掃完了写真のみ添付がベストです。
 ※階段や共用廊下が多い所は一部で問題ないと思います。

 ●ルーム清掃では、玄関・お風呂場・洗面台・トイレ・トイレタンク内・トイレの下裏側・キッチン・キッチン換気扇・居室全体・バルコニー側の窓を各所1枚撮影すれば問題ないと思います。

 ●メンテナンスでは、補修完了後の写真を1枚撮影報告すれば問題ないと思います。

なぜ極力少なめが良いかと言いますと、多い写真の報告はだんだんと見なくなってしまう傾向だからです。
写真を撮影し、LINE報告するだけでも5分~20分を要します。
報告する事に力を入れすぎても本来の目的である『物件の課題共有・全体的な質の向上』が効率よく稼働しなくなります。

なぜ、このような手法を取る不動産会社が少ないかといいますと、『めんどくさい』というのが1番の要因ではないかと思います。またやり方を変える事には多くの人が懸念を示します。
理由は、『良く分からないけどなんだかめんどくさい』という事です。

この手法にはリーダーシップを発揮できる人間が必要です。
始めてしまえば、『めちゃくちゃ便利な手法だ』と実感できます。

物件オーナーも日々の労務を知ることができ、感謝の気持ちがより強くなります。
そうすれば賃貸・管理の人たちから物件に対する問題や課題の提案があった時に『聞く耳』を持って対応してくださる物件オーナーが増えます。

委託業者も同じです。『このぐらいでいいや』という気持ちが極力少なくなります。
人間誰でも楽をしたがります。これはしょうがありません。しかし、手を緩めてはいけない箇所を意識して頂く事により自然と質は向上します。

不動産会社はもっと質が向上します。
委託業者とのやり取りが二度手間の発注になっていないか、社員の個々の対応能力もあからさまに表れる為、賃貸や管理の責任者が仕事の質を向上させる必要がどこにあるのかという点が見えてきます。
また自分たちの仕事の意義を考えさせられるきっかけにもなります。

この手法を取り入れようとすると決まって反対意見としてこう言われます。
『物件オーナーが年寄でLINEをしない』
『業者がめんどくさいから嫌だという』
『社員が業者とのやり取りを物件オーナーに開示するのはどうかと言う』
『社員が物件オーナーに知られたくないお金の話を知ることになるからやめた方がいい』
『役員が、メリットもあるがデメリットもあるうちはまだ実行するなと言う』
本記事では貴重な仕組みを公開しました。
本記事をご覧になった皆様の中には、この問題定義の解決策は既に見えているのではないでしょうか?
私は、この反対意見に対してきっちりとお応えできる準備と覚悟、そして実施経験上のお話しもできます。

しかし、ここから先の問題解決につきましては私はあえて記載致しません。
なぜなら、それでは意欲を持って本記事をご参考にしてくださる予定の皆様の可能性を狭めてしまう事もあり得るからです。

ぜひ、皆様の中にある熱い心と冷静なご判断と価値ある行動をお祈り申し上げます。

 
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